無重力で作られたプラスチックの粒は、地上で作られた粒に比べて、どこがすぐれているのでしょうか
球の形に歪み(ゆがみ)がなく、大きさがそろっています。
歪みのない球をつくる実験は、昔から行われていました。イギリスのワッツは、鉛の弾丸をつくるために、高いところから溶けた鉛を落とす方法を考案し、1972年、特許を取りました。落下している最中は無重力なので、溶けた鉛は「表面張力」の影響で球状になり、そのまま冷えて固まります。ただし、地上では空気抵抗があるため、落下している最中に形が歪むのです。また、大きさもそろいません。特に直径が数ミクロン以上の大きな球になると、作るのは難しくなるのです。
宇宙船内は無重力なので、落下させる必要がなく、歪みのない球ができます。このことを利用して、1982年から1984年にかけてスペースシャトル内でプラスチックの球を作る実験が行われました。このときは、溶けたプラスチックを空中に浮かせて固めるのではなく、水溶液中でプラスチックの球を成長させる方法がとられました。
1980年代に、NBS(National Bureau of Standards、アメリカ規格標準局)は、直径が10ミクロンのプラスチックの粒を売り出しました。宇宙で作られた商品が、はじめて市場に出たのです。売り出された球は、顕微鏡でしか見えない小さなものをはかる「ミクロのものさし」として利用されています。
宇宙船内は無重力なので、落下させる必要がなく、歪みのない球ができます。このことを利用して、1982年から1984年にかけてスペースシャトル内でプラスチックの球を作る実験が行われました。このときは、溶けたプラスチックを空中に浮かせて固めるのではなく、水溶液中でプラスチックの球を成長させる方法がとられました。
1980年代に、NBS(National Bureau of Standards、アメリカ規格標準局)は、直径が10ミクロンのプラスチックの粒を売り出しました。宇宙で作られた商品が、はじめて市場に出たのです。売り出された球は、顕微鏡でしか見えない小さなものをはかる「ミクロのものさし」として利用されています。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA