無重力の宇宙船内では、液体の水も空中に浮く。このとき、水の形は必ず「球」になる。これは「球」という形のどのような特徴によるものだろうか?
「球」は同じ体積で表面積がもっとも小さい形だから。


無重力で空中に浮いている水を考えてみよう。
内部の水の分子は、まわりを同じ水の分子で囲まれている。そのため、水分子の間に働く引力によって、安定した状態を保つことができる。しかし、表面の水の分子は、そうはいかない。空気と接しているため、不安定な状態にある。
内部の水の分子は、まわりを同じ水の分子で囲まれている。そのため、水分子の間に働く引力によって、安定した状態を保つことができる。しかし、表面の水の分子は、そうはいかない。空気と接しているため、不安定な状態にある。

水としては、不安定な表面の面積は、なるべく小さくしたい。そこで、水に限らず液体の表面には"表面積をなるべく小さくしようとする力"が働く。この力を「表面張力」とよぶ。「球」は同じ体積で表面積がもっとも小さい形なのだ。空中に浮いた水は、「表面張力」の影響で、表面積をなるべく小さくしようとして、「球」になるのだ。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA