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宇宙でアーチェリーをしたい。地上と同じようにできるのだろうか?

無重力の感覚に慣れるまで練習が必要。体も固定しなければならない。

 地上で競技をしたとき、重力の影響は避けられない。物体を静かに落下させたとき、t秒後の落下距離は(1/2)gt2(g は重力加速度=9.8m/s2)である。

 水平方向に打ち出された矢やボールは重力により、0.1秒後には(1/2)×9.8×(0.1)2m=4.9cmだけ、鉛直方向に落下しているのだ。1秒後には4.9m、2秒後には19.6mになる。

 アーチェリーは最大90m離れた的を射る。競技者は、その分を「計算に入れて」やや上向きに打っているはずだ。「計算に入れて」と言ったが、その落下分は経験上、身についているので、意識していないに違いない。無重力では矢は落下せずに、まっすぐ飛んでいくため、慣れるまで練習が必要だろう。

 野球のピッチャープレートからホームまで18.44mある。横浜ベイスターズの佐々木投手並に150km/hの剛速球を投げると、空気抵抗を無視しても、0.44秒はかかる。その間、ボールは95cmも(フォークボールでなくても)落ちるのだ。「浮き上がるような剛速球」というのは、速いために、普通の球よりも軌道が落ちていない、というものの、実際は目の錯覚に過ぎない。それほど、私たちは「慣れ」に支配されているのである。

 それと、無重力で大切なのは、体の固定。地上では重力により、地面との摩擦があるが、無重力ではそれがなくなってしまう。「作用反作用の法則」から、矢を打てば、弓から逆向きの力を受けるため、体を固定しないと飛ばされてしまう。宇宙船内では、コンピュータのキーボードをたたくときでさえ、足を固定しないと、反作用で体が動いてしまうので要注意だ。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA