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宇宙船内でコマはどう回転するだろうか?

宇宙船内ではとても安定した回転をする。

 コマを地上と同じように回転させると、宇宙船内で軸方向を変えずに回転する。力を加えて、軸の向きを変えようとしても、なかなか変わらない。非常に安定した回転になるのだ。コマのように軸のまわりに対称な物体は、回転軸が対称軸と一致するととても安定する。実は、この性質は、人工衛星の姿勢制御に用いられている。

コマを回す毛利宇宙飛行士。
 地上でも、船や航空機などに、方位を知るための「ジャイロ・コンパス」が積まれているが、この性質が利用されている。人工衛星からの電波で自動車の位置を知るカーナビゲーション・システムもトンネルなど、電波が届かない場所には弱いので、ジャイロ・コンパスが補助的に使われている。

  もっと身近なところでの応用は、スポーツ。アメリカン・フットボールでは、クォーター・バックの投げるロングパスが何と言っても見せどころだ。上手なプレーヤーのパスは、楕円形のボールの向きが空中でとても安定している。これは、片手で投げながら、ボールの対称軸のまわりに、強烈な回転をかけているからだ。

 ラグビーのバックスが両手で投げるスクリューパスも同様。距離を稼ぐためのタッチキックもそうだ。やり投げのやりも、長い距離を真っ直ぐ飛んでいくのは、軸のまわりに回転がかかっているからだ。対称軸と一致していないと、回転軸は不安定になり、場合によってはひっくり返ったりする。

 軸のまわりを安定に回転している物体に対して、軸の向きを変えようと力を加えると、軸は力の向きでなく、それとは垂直な向きに傾く。これを「歳差運動(さいさうんどう)」と呼ぶ。地上で回したコマが、傾いたときに軸がゆっくりまわる運動がそれだ。

 地球に対しても、月や太陽による潮汐力が、地軸の向きを変えようとしているから、地球の地軸も公転面に対して23.5度傾いたままゆっくりと(周期2万6000年で)歳差運動している。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA