宇宙でも質量を測りたい場合はどうしたらよいのでしょうか
バネによる振動を利用します。
無重力になっても、質量は存在します。したがって、重力を利用するふつうの「はかり」は使えません。中学校の教科書には、「ばねはかりで測るのが重さで、てんびんで測るのが質量」と書いてあり、「てんびんで測ればよい」と言う人がいますが、ふつうにてんびんを使おうとしても、使えません。では、どうしたらよいのでしょうか。
「質量」の性質として、「加速されにくさ」があります。この性質を利用して、一端を固定したバネにつないで振動させ、振動周期を測れば質量を測ることができます。質量が大きいほど、周期は長くなるのです。
宇宙飛行士の健康管理の上で、「体重」の測定は重要です。実際、この方法がとられています。
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原理図
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ばね定数は、それぞれのばねで決まっているため、軌道上で振動の周期を測定すれば、物体の質量が計算できます。
そのほかに考えられるのは、力を加えて、加速の具合を測ることです。「ばねはかり」につないで引っ張り、生じた加速度と目盛りの関係から求めることができます。ひもにつないで回転させ、ひもに生じる力を測ってもよいでしょう。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA