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スペースシャトル上部から、質量の小さいひもつきの人工衛星(こども衛星)を放出する。それぞれの軌道はどうなるのだろうか?

スペースシャトルはもともとの飛行軌道よりも低い軌道、こども衛星はスペースシャトルよりも高い軌道を飛行する。

「こども衛星」の質量は小さいから、スペースシャトルと衛星全体の重心はスペースシャトル本体のすぐそばにある。上下に分かれると、両者の関係は、高い軌道と低い軌道で安定する。というのは、地球からの万有引力と遠心力がつり合う位置が重心となっているわけで、高い軌道の方が地球から引かれる力は小さくなる。

こども衛星を放出して飛行している状態
 一方、同じ回転速度なら、回転半径が大きいほど、遠心力は大きくなる。したがって、高い軌道になった方はどんどん上に引かれ、低い軌道の方は下がっていく。ひもがピンと張った状態で安定するのだ。

 つまり、万有引力と遠心力のバランスが破れた差額分は、ひもの張力が補ってくれるのだ。

 ところで、スペースシャトルは新しい人工衛星を打ち上げるほかに、古い人工衛星を回収したりもするが、軌道を調節するのは結構むずかしい。前方を飛んでいる人工衛星に近づきたいとき、ロケットを噴射してスピードを上げると、そのエネルギーで高い軌道に移ってしまい、かえって遅れてしまうのだ。かえって、スピードを落とし、低い軌道に移って先に行く必要がある。

 このような、万有引力と遠心力の微妙なバランスを、地上で生活する私たちも実感することができる。実は、「潮汐力(ちょうせきりょく)」という、文字通り、潮の満ち引きを引き起こす力がそれなのだ。月は地球の周りを公転しているが、正しくは、お互いに回り合っている。

月から見て、近い側と遠い側が満ち潮になる。
 万有引力と遠心力がつり合っているのは、それぞれの重心についてであって、お互いの手前側と反対側は、つり合いが破れている。この部分の海水が盛り上がって、満ち潮になるわけだ。地表面は自転しているから、1日2回、潮の満ち引きがくり返される。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA