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人工衛星はどのくらいの速さで地球の周りをまわっているのでしょうか

低い軌道では約8km/s。軌道が高くなるほど遅くなります。

地表近くの低い軌道をまわっている人工衛星の速さは、ほぼ8km/s(2万8800km/h)です。これを「第1宇宙速度」と呼んでいます。これは、ジャンボジェット機の約30倍の速さです。地球1周は4万kmなので、1時間半弱で、ひとまわりしてしまう速さです。

 地球から離れるほど地球が引く力(これは重力と呼ばれたり、万有引力と呼ばれたりします)は弱くなります。そのため、必要な速さは小さくなるのです。

 「必要な速さが小さくなる」と言って、人工衛星の打ち上げが簡単になると思ったら大間違いで、高く打ち上げるのに、エネルギーはよけいに必要となります。

 ところで、右の図のように、地表から約3万6000kmの軌道高度では、地球を一周するのにかかる時間が地球の自転周期と一致します。これが「静止衛星」の正体です。本当に静止しているわけではなく、赤道上を東向きに自転と同じ速度で飛行しているのです。
軌道高度(km) 速度(km/s) 周期
0 7.93 1時間24分
400 7.67 1時間33分
1,000 7.35 1時間45
35,786 3.08 23時間56分
静止衛星は、放送衛星や気象衛星として活躍していますが、必ず赤道上空にあります。衛星放送用のパラボラアンテナをすべて南に向けている理由もわかるでしょうか。日本上空で「静止」するのは、不可能だからです。

 電波(光と同じ速さで30万km/s)が地表と軌道高度約3万6000kmの静止衛星との間を往復するのに0.2秒以上かかります。そのため衛星放送の画像はその分、わずかに「遅れて」いるのです。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA