人工衛星やISSは、なぜ、地球に落ちてこないのでしょうか
実は、常に地球に落ち続けているのです。
これには、2つの見方があります。1つは、地上から見て、地球の重力に引っ張られて、人工衛星も常に落下している、という考え方です。
小石を持って、手を離すと重力に引かれて、落下します。高いところから水平に小石を投げると前に飛びますが、やはり地球の重力に引かれて曲げられ、やがて地上に落下します。このとき、速く投げるほど、曲げられ方は少なく、遠くまで届くのです。
とても速く投げると、地球の丸みにそって、いつまでも「落下」し続けながら飛ぶことができると考えられます。
このことは、ニュートンがその著書「プリンキピア-自然哲学の数学的諸原理(初版は1687年)」の中で述べています。実際に人工衛星が打ち上げられるより、300年も前のことです。
「慣性の法則」から、物体には運動を保つ性質があるため、力が働かないと、人工衛星はどこまでも飛んでいってしまいます。その考えでいくと、「なぜ落ちてこないのか」ではなく、「なぜ、地球から離れて飛んでいってしまわないのか」ということになります。地球の重力のおかげで、軌道にとどまっているわけです。
もう1つの考え方は、飛んでいる人工衛星の立場に立った考え方です。自動車に乗っているとき、カーブになるとどうでしょうか。「慣性の法則」から、体が直進しようとするにもかかわらず、自動車だけ曲がろうとするわけですが、乗っている人間は、体がカーブの外側に引っ張られている感じがします。回転運動する物体が、あたかも外側に引っ張られているように感じる力が「遠心力」です。
人工衛星の立場で自分自身を見ると、地球の重力と遠心力がつり合って、軌道を保っている、ということになります。
もう1つの考え方は、飛んでいる人工衛星の立場に立った考え方です。自動車に乗っているとき、カーブになるとどうでしょうか。「慣性の法則」から、体が直進しようとするにもかかわらず、自動車だけ曲がろうとするわけですが、乗っている人間は、体がカーブの外側に引っ張られている感じがします。回転運動する物体が、あたかも外側に引っ張られているように感じる力が「遠心力」です。
人工衛星の立場で自分自身を見ると、地球の重力と遠心力がつり合って、軌道を保っている、ということになります。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA