STS-95ミッションで向井さんの下の句を考えている時に疑問がわいたのですが、何度も宙返りをしてめまいが起こらないのですか
無重量状態では、加速度や平行感覚などを感じる器官(三半規管)に対して上下感覚の“もと”である「重力」という情報が与えられなくなります。
宙返りをすると回転している感覚は感じ取れるのに、上下が分からない状態となり、感じ取られた情報の混乱(空間識の混乱)を生じます。
このことは宇宙飛行のはじめの頃には重要な問題となり、人によってはいわゆる「宇宙酔い」の症状が表れてきます。また仮に嘔気や嘔吐などの「宇宙酔い」の症状が無くても、めまい、錯覚などが生じる可能性があります。
しかし、これらの混乱状態は比較的早期(数日程度)でとりあえずの適応状態となり、宇宙酔いの症状は消失し、環境にかなり「慣れた」状態となります。
宙返りをすると回転している感覚は感じ取れるのに、上下が分からない状態となり、感じ取られた情報の混乱(空間識の混乱)を生じます。
このことは宇宙飛行のはじめの頃には重要な問題となり、人によってはいわゆる「宇宙酔い」の症状が表れてきます。また仮に嘔気や嘔吐などの「宇宙酔い」の症状が無くても、めまい、錯覚などが生じる可能性があります。
しかし、これらの混乱状態は比較的早期(数日程度)でとりあえずの適応状態となり、宇宙酔いの症状は消失し、環境にかなり「慣れた」状態となります。
向井宇宙飛行士が上の句を読んだ7日目には、宇宙酔いの症状は消失し、環境にかなり「慣れた」状態になっていました。
このように「慣れた」状態で宙返りを行った場合には、嘔気を催すような「めまい」は起きにくいと考えられます。
ただし、宙返りを宇宙飛行の初期(上記の混乱期)に行えば、「宇宙酔い」の誘発刺激となり、嘔気嘔吐を生じる可能性がありますので、宇宙飛行初期においては、これらの運動は控えた方が良いでしょう。
このように「慣れた」状態で宙返りを行った場合には、嘔気を催すような「めまい」は起きにくいと考えられます。
ただし、宙返りを宇宙飛行の初期(上記の混乱期)に行えば、「宇宙酔い」の誘発刺激となり、嘔気嘔吐を生じる可能性がありますので、宇宙飛行初期においては、これらの運動は控えた方が良いでしょう。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA