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国際宇宙ステーション(ISS)ではどのようにして健康を保つのですか

人は心身ともに健康でなければなりません。
先ず心の健康ですが、狭い閉ざされた空間に多国籍の宇宙飛行士が数名、3ヶ月から半年もの長期にわたり滞在していますと、精神的なストレスが生じることが予想されます。このような状態を克服するためには、適度な娯楽、家族や友人との連絡などが有効と考えられますのでそのような機会が得られるよう配慮されます。
窓の外の光景を眺めるのもストレス解消のひとつです
エクササイズ
必要に応じて地上からフライトサージャン(宇宙飛行士の健康管理、航空宇宙医学の研究を行う専門医)のカウンセリングを受けることもできます。

適切な対応方法を検討するため、長期閉鎖実験も行われています。

次に体の健康ですが、ISSの宇宙飛行士は、無重量の世界に長期にわたり滞在することになるので、体を健康に保つためには十分な配慮が必要です。

地上では、人間は寝ているとき以外は常に重力に逆らって行動していますので、筋肉は体を支えるために緊張していますし、骨にも常に重力による力が作用しています。ところが宇宙では重力が作用しませんので、体はいわば怠けた状態にあり、筋肉が衰える、あるいは骨がもろくなるといった悪影響を及します。

これを避けるためには重力があるときと同様な条件を体に与えることが必要です。

そのためには適度な運動が効果的で、宇宙飛行士はトレッドミルやエルゴメーターといった運動器具を使用して毎日2時間の運動をします。

トレッドミルは、体をゴムバンドで押えつけた状態でランニングをする器具です。エルゴメーターは、車輪のない自転車のようなもので、ペダルをこぐ負荷を調節することにより運動量を調節することができます。

健康を保つための様々な運動器具

トレッドミル(TVIS)(米)
自転車エルゴメータ(CEVIS)(米)
自転車エルゴメータ(露)
改良型エクササイズ装置(ARED)(米)を使用した運動
改良型エクササイズ装置(ARED)(米)を使用した運動
改良型エクササイズ装置(ARED)(米)を使用した運動

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA