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ソユーズ宇宙船の弾道モードとは何ですか

弾道モードは、ソユーズ宇宙船の帰還モジュール(カプセル)が大気圏に突入する際の帰還モードのひとつです。

通常の制御モードでは、降下中に帰還モジュール(カプセル)の姿勢制御を行ってわずかに揚力を生じさせることで、緩やかに降下するよう制御していますが、何らかの異常が発生して姿勢制御ができなくなった場合、バックアップの突入手段である弾道モードへ自動的に制御が切り替えられ、安全に降下できるような設計になっています。

弾道モードで帰還した場合、体にかかる重力加速度は、通常(4~5G)の約2倍の8~9Gに達し、予定の着陸地点よりも約400km手前に着陸することになります。
弾道モードと制御モードの降下イメージ
弾道モード降下と制御モード降下の着陸予定地点の違い
弾道モードで帰還した例は、ソユーズ1宇宙船(1967年)、ソユーズ5宇宙船(1969年)、ソユーズTMA-1宇宙船(2003年)、ソユーズTMA-10宇宙船(2007年10月)、ソユーズTMA-11宇宙船(2008年4月)があります。

2007年10月のソユーズTMA-10宇宙船、2008年4月のソユーズTMA-11宇宙船と2回続けて同一原因による弾道モードでの帰還となったため、その後はソフトウェアの改修などを行い、再発防止策がとられています。

弾道モードの帰還でも問題はありませんが、よりスムーズに帰還できるように通常はきめ細かく制御されている、と考えてもらうと分かりやすいでしょう。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA