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ソユーズ宇宙船の打上げが失敗した場合はどうなるのですか

ソユーズ宇宙船のフェアリング頂部には、緊急脱出用ロケットが取り付けられています。

ソユーズ宇宙船を載せたソユーズロケットの打上げ時に異常が発生した場合は、この緊急脱出用ロケットに点火して緊急脱出し、その後、速度を落としながら帰還モジュール(カプセル)を切り離し、パラシュートを展開して射点から離れた安全な場所に着地します。

1983年9月のソユーズT10Aの打上げでは、打上げ直前にロケットに火災が発生しましたが、クルーは緊急脱出用ロケットにより無事脱出しました。

ソユーズ宇宙船用の緊急脱出ロケット(写真はソユーズTMA-15宇宙船(19S))©FSA
なお、打上げから約158秒後に、緊急脱出用ロケットとフェアリングはソユーズ宇宙船から切り離されますが、その後に異常が発生した場合には、帰還モジュール(カプセル)で地上に着陸します。

1975年4月のソユーズ18Aの打上げでは、ソユーズロケットの2段目と3段目の分離トラブルが発生しました。
この分離トラブル発生時点では、緊急脱出用ロケットとフェアリングは既にソユーズ宇宙船から切り離されていたため、ソユーズロケットの3段目を分離した後、帰還モジュール(カプセル)を切り離し、クルーは無事シベリアに緊急着陸しました。

2018年10月のソユーズMS-10(56S)の打ち上げでは、ロケット頂部の緊急脱出用ロケット分離直後に行われる4本のブースターのうちの1本の切り離しに失敗するトラブルが起きましたが、フェアリング上部に内蔵されている別の固体ロケットモータを使ってロケット本体からソユーズ宇宙船を分離して退避させました。このシーケンスは自動で実施されましたが、初めて起きたトラブルでも宇宙飛行士を安全に退避・帰還させることができたことから、改めてソユーズ宇宙船の安全設計が優れていることが認識されました。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA