ISSや人工衛星の地上軌跡が大きな波線のようにうねっているのはなぜですか
地球を周回しているISSなどの軌道を真下の地表に降ろしたものが地図上の軌跡で、グランドトレース(地上軌跡)と呼ばれています。
この地上軌跡は地球儀の上では円ですが、正距円筒図法(Equirectangular)の世界地図の上に表すとSの字を描いたカーブになります。
この地上軌跡は地球儀の上では円ですが、正距円筒図法(Equirectangular)の世界地図の上に表すとSの字を描いたカーブになります。
例えば、地球儀を使って、シンガポール-札幌-アラスカ半島-バンクーバー-ヒューストン-メキシコユカタン半島-パナマ-パラグアイ-ウルグアイ-インド洋・・・を結んでみると、地球の中心を中心とした円になることがわかります。同じ地点を、世界地図上に印を付けていくと、S字を描いていることがわかります。
このS字カーブは地球を1周する間に、赤道と必ず2回交わります。また、軌道傾斜角(軌道と赤道の角度)は、S字カーブの一番高い緯度と一致します。
軌道が、赤道上空を回り続ける場合は、世界地図上の赤道に一直線を引くことになりますが、スペースシャトルやISSは赤道面に対して一定の角度(軌道傾斜角といいます)を持っているため、平面の世界地図上では大きな波を描くのです。
ISS は約90分で地球を1周しています。もし地球が自転していなかったら、ISSは1周して元の位置上空に戻ってきます。しかし、ISSが1周する間に、地球も自転するので、もとの位置上空には戻れません。地球の自転は24時間で1回転(360度)ですから、1時間に15度、90分では22.5度西へずれることになります。
つまり軌道周期90分のISSは16周すると元の位置上空に戻ることになります。実際には、地球が完全な球体でないことによる重力場のひずみや上層大気の抵抗、太陽放射圧などから徐々に軌道は変えられますので、正確に16周で元に戻ることはありません。このような外乱により軌道がずれていくことを摂動といいます。ですから、何ヶ月も先のISSの位置を予測することはできないのです。
なお、地球観測衛星などで一定期間で必ず同じ位置上空に戻らなければならない衛星はそうなるような軌道に投入します。
ISS は約90分で地球を1周しています。もし地球が自転していなかったら、ISSは1周して元の位置上空に戻ってきます。しかし、ISSが1周する間に、地球も自転するので、もとの位置上空には戻れません。地球の自転は24時間で1回転(360度)ですから、1時間に15度、90分では22.5度西へずれることになります。
つまり軌道周期90分のISSは16周すると元の位置上空に戻ることになります。実際には、地球が完全な球体でないことによる重力場のひずみや上層大気の抵抗、太陽放射圧などから徐々に軌道は変えられますので、正確に16周で元に戻ることはありません。このような外乱により軌道がずれていくことを摂動といいます。ですから、何ヶ月も先のISSの位置を予測することはできないのです。
なお、地球観測衛星などで一定期間で必ず同じ位置上空に戻らなければならない衛星はそうなるような軌道に投入します。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA