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飲料水の供給はどのようにしておこなっているのですか

ISSでの飲料水は、プログレス補給船やスペースシャトルによって地球から運ばれていましたが、STS-126(ULF2)ミッションで、米国の水再生システム(Water Recovery System: WRS)が運ばれ、2009年5月にこの装置の使用を開始してからは、100%ではありませんがISS内の水をリサイクルできるようになりました。

スペースシャトルが退役した後は、日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)で飲料水をISSに運んでいます。

ロシア側の飲料水は、ズヴェズダ(ロシアのサービスモジュール)内に飲料水タンク「ロドニク」があり、プログレス補給船から運ばれた水をここに貯蔵することができます。

ISS内部の空気から除湿時に回収した水(凝縮水)は、米国とロシアの酸素発生装置で電気分解して、呼吸用の酸素を生成するのに使用されています。また、凝縮水の一部は、米国とロシアの装置でリサイクルして飲料水にすることもできます。

米国の水再生システム(Water Recovery System: WRS)は2台のラックで構成され、トランクウィリティー(第3結合部)内に設置されています。この2台のWRSラックは、尿処理装置(Urine Processor Assembly: UPA)と水処理装置(Water Process Assembly: WPA)で構成されており、UPAは尿を蒸留して処理水にし、凝縮水と一緒にWPAに送られて飲料水となる品質まで浄水されます。

米国、ロシアともに、飲料水には雑菌繁殖防止の処置が行われており、米国はヨウ素を、ロシアは銀を添加することで殺菌しています。

なお、スペースシャトルがISSとドッキングしている時は、スペースシャトルに搭載している3基の燃料電池から1時間に最大約11kgの水が生成されるため、これを水タンクに貯えてISSに運び込み飲料水として貯蔵していました。
ISSで使われているロシア製の水タンク
スペースシャトルのウォーターバッグ

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA