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二酸化炭素の除去はどのようにしておこなっているのですか

空気の循環が十分でない場合、宇宙では二酸化炭素が除去されないまま部分的に濃度が高くなり、二酸化炭素中毒の危険性が増します。このため、命にも関わる二酸化炭素の除去は重要です。

ISSでの二酸化炭素の除去方法は以下の3通りがあります。

1. 米国の二酸化炭素除去装置(Carbon Dioxide Removal Assembly: CDRA)

CDRA(シードラ)は、米国の二酸化炭素除去装置で、デスティニー(米国実験棟)とトランクウィリティー(第3結合部)内に各1基が設置されています。

CDRAは、二酸化炭素の吸着部(反応層)を2式有しているため、片方の吸着部を加熱して二酸化炭素を放出する再生プロセス中に、もう一方で吸着が可能なため、連続運転ができます。

吸着した二酸化炭素は船外に排出されますが、2010年にOGS内に設置されたSabatierという装置で、二酸化炭素を水素と結合させることで、水にリサイクルすることもできます。

2. ロシアの二酸化炭素除去装置(ヴォズドゥク、Vozdukh)

ヴォズドゥクはズヴェズダ(ロシアのサービスモジュール)にあり、再生式の吸着剤(ゼオライト)を持つ2式の反応装置が使用されています。

取り除かれた二酸化炭素は船外に排出されます。ヴォズドゥクはズヴェズダ(ロシアのサービスモジュール)にあり、再生式の吸着剤(ゼオライト)を持つ2式の反応装置が使用されています。

取り除かれた二酸化炭素は船外に排出されます。

3. 二酸化炭素吸着キャニスター(水酸化リチウム缶)

水酸化リチウムを使用し化学反応で二酸化炭素を吸収する使い捨ての反応容器です。

スペースシャトルでは二酸化炭素除去のメイン装置ですが、ISSでは緊急時のバックアップなど補助的に使われています。

水酸化リチウム缶(スペースシャトル)

また、人間は二酸化炭素以外に少量のガスを排出します。腸で生成されるメタン、汗に含まれるアンモニア、尿や呼気に含まれるアセトン、メチルアルコール、一酸化炭素です。これらは活性炭フィルタによりISS内の空気から取り除かれます。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA