サービス概要
中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)は、複数の装置を搭載でき、その装置に実験や実証の環境を提供するアダプタです。人工衛星で言えばバス機器に相当します。電源や通信などのリソースを提供することができますので、i-SEEPを利用すれば、利用者はミッション機器のみの開発で、技術実証や地球観測・宇宙観測などをより簡単に行うことができます。(iーSEEP利用のミッション例)
i-SEEPに搭載する「観測・実験装置」はISSへ船内環境で打上げられ、「きぼう」船内にてi-SEEPに取り付けられます。装置が取り付けられたi-SEEPは「きぼう」のエアロックを経由して船外へ搬出され、「きぼう」のロボットアームにより所定の「きぼう」船外実験プラットフォームのポートへ設置されます。運用中は、電力、通信(コマンド・テレメトリ・他)等のリソースを装置へ提供します。必要に応じて、「観測・実験装置」をISSから地上へ回収し、ユーザへ返却することも可能です。宇宙の曝露環境にさらされた装置を地上に回収し、現物を確認できることはi-SEEP利用の大きな特徴の一つです。
現在、i-SEEPの利用サービスはJAXAが選定した民間事業者に移管されています。
主要緒元
項目 | 概要 | |
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電力 | 28 Vdc(定格)2ch,各チャンネル最大 200W | |
通信 | 中速系 低速系 ビデオ | Ethernet: Ethernet ⅡまたはIEEE802.3 2 ch 無線LAN: IEEE802.11n アクセスポイント1台 データバス/規格:MIL-STD-1553B 2系統 USB:USB2.0 2ch NTSC 1 ch |
地上との通信 | 「きぼう」船外装置を全て合わせて60Mbps | |
排熱 | 400 W(公称最大) (実験装置取り付け面の2枚のコールドプレートへの合計) コールドプレート温度 16~40 ℃ | |
振動環境 | 打上時 9.47 grms 回収時 8.29 grms (梱包せずに直接輸送船に搭載する場合の環境、別途、典型的な梱包を行う場合の規定あり) |
窓口
国内外のユーザを対象に、民間事業者による「きぼう」船外における軌道上利用サービスが提供されています。 (エンドユーザのサービス料金は事業者が設定)
要求文書/Interface Control Document
i-SEEP搭載の実験装置に対する詳細な技術要求等については、以下の文書を参照ください。
A版に差し替えました(2024年6月25日)Update
タイトル | サイズ | ID |
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JEM ペイロードアコモデーションハンドブック -Vol.12- IVA 補給型小型曝露実験プラットフォーム/実験装置 標準インタフェース管理仕様書 2024年6月A版 | [ pdf: 21.1 MB] | 67829 |
パンフレット/Brochure
タイトル | サイズ | ID |
---|---|---|
「きぼう」利用サービス紹介4・船外実験・実証サービス 2023年版 | [ pdf: 15.2 MB] | 67823 |
"Kibo" Utilization Services #4: Introduction for Exposed Experiment and Verification on "Kibo" 2022, English | [ pdf: 18.7 MB] | 71622 |
i-SEEP利用のミッション紹介
ミッション略称 | 搭載機 | 期間(年度) | 開発 | 利用形態※1 |
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▼ LiSS | TBD | TBD | SkyCorp(米国) | 民間事業者 |
▼ ExBAS#1-3 | SpX-29 | 2023~2024 | Space BD | 民間事業者(SPySE利用) |
▼ SeCRETS | NG-19 | 2023 | ※2 | 民間事業者 |
▼ ExBAS#1-2 | SpX-27 | 2023 | Space BD | 民間事業者(SPySE利用) |
▼ Smart One(iSSIFQE) | NG-17 | 2022 | SkyCorp(米国) | 民間事業者 |
▼ ExBAS#1-1 | NG-17 | 2022 | JAXA、Space BD | 民間事業者(SPySE利用) |
▼ Space AS-LiB | NG-17 | 2022~2023 | JAXA、日立造船 | JAXA利用(SPySE利用) |
▼ LPS | SpX-23 | 2021~2022 | ソニーグループ(株) | 民間事業者 |
▼ iSIM | HTV9 | 2020 | Satlantis(スペイン) | 有償利用 |
▼ SOLISS | HTV8 | 2019~2020 | NICT、Sony CSL | 有償利用 |
▼ GPSR-Wheel | HTV6 | 2016 | JAXA | JAXA利用 |
▼ HDTV-EF2 | HTV6 | 2017~運用中 | JAXA | JAXA利用/ 有償利用 |
※1 利用形態のうち、HDTV-EF2以外のJAXAの有償利用は現在行っていません。2019年4月から民間事業者としてSpace BD社による軌道上利用サービスが提供されています。
※2 SeCRETSプロジェクトチーム:スカパーJSAT株式会社(スカパーJSAT)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(SonyCSL)、次世代宇宙システム技術研究組合(NeSTRA)
大規模宇宙サーバ【LiSS】
Large in Space Server: LiSS
簡易曝露実験ブラケット【ExBAS#1-1、#1-2、#1-3】
Exposed Experiment Bracket Attached on i-SEEP: ExBAS
- 日本初のISS船外設備商業利用プログラム対象品が地球へ帰還 学術利用からコマーシャル利用など幅広い宇宙の利活用に貢献「スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-」第一弾 (2023年4月3日 Space BD社)
- グローバルボーイズグループJO1が公式アンバサダーを務める スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-第二弾が地球帰還 約3カ月の宇宙の旅を経て、宇宙線・紫外線を浴びてプレート表面に変化が発生 (2023年8月9日 Space BD社)
- スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH- 第三弾打上げが11月上旬に予定!!研究開発素材やプロモーション利用に加え、新たに食やD&I推進を目的とした宇宙利活用案件を打上げ国際宇宙ステーションの船外プラットフォームに約6か月間曝露させ、2024年度秋頃に地球帰還予定 (2023年10月26日 Space BD社)
高秘匿光通信の実証【SeCRETS】
SeCuRe lasEr communicaTionS terminal: SeCRETS
※2 SeCRETSプロジェクトチーム:スカパーJSAT株式会社(スカパーJSAT)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(SonyCSL)、次世代宇宙システム技術研究組合(NeSTRA)
- 秘密鍵共有技術の研究開発の実証実験に ISS「きぼう」船外利用サービスを提供 打上げ・技術調整・試験審査など一貫型で支援し、9月5日に軌道上運用開始 (2023年9月5日 Space BD社)
結合機構と電力伝送コネクタのISS軌道上実証【Smart One(iSSIFQE)】
intelligent Space Systems Interface Flight Qualification Experiment : iSSIFQE
- Skycorp announces delivery of the intelligent Space Systems Interface (iSSI) Flight Qualification Experiment (FQE) to the International Space Station (2022年3月1日 Skycorp, Inc.)
全固体電池軌道上実証装置【Space AS-LiB】
All Solid State Li-ion Batter: Space AS-LiB
- [プレスリリース] JAXAと日立造船との共同研究 世界初、宇宙での全固体リチウムイオン電池の充放電機能を確認 (2022年8月5日)
- [プレスリリース] 宇宙での全固体リチウムイオン電池の実用化に向けた実証実験の実施を決定 (2021年2月2日)
LPWA無線実験装置【LPS】
Low Power Wide Area Receiver System: LPS
- ISS「きぼう」船外利用サービスをソニーに提供 (2022年11月29日 SpaceBD社)
超小型衛星搭載用地球観測カメラ【iSIM】
integrated Standard Imager for Microsatellites: iSIM
- 海外初となる民間ベンチャーによる「きぼう」船外利用開始!~小型地球観測カメラ "iSIM" 観測準備完了!~(2020年06月12日)
- スペインの宇宙ベンチャーSatlantis社開発のペイロード"iSIM"がJAXAに引き渡されました(2019年12月17日)
- "日本の宇宙商社" Space BDの協力により、海外初の民間企業が「きぼう」船外実験プラットフォームで技術実証(2019年3月1日)
小型光通信実験装置【SOLISS】
Small Optical Link for International Space Station: SOLISS
- [インタビュー] 世界で初めて宇宙と地上の光通信に成功 次世代の宇宙インフラに貢献! (2021年3月22日)
- [プレスリリース] 小型光通信実験装置「SOLISS」が宇宙と地上間の双方向光通信に成功 (2020年4月23日)
- [プレスリリース] JAXAとソニーCSLによる「きぼう」を利用した長距離空間光通信軌道上実証の実施について (2019年7月29日)
高性能小型GPSR/Wheelユニットの軌道上実証【GPSR/Wheel】
In-orbit demonstration of the GPSR/Wheel unit: GPSR/Wheel
高精細ビデオカメラによる映像取得【HDTV-EF2】
High Definition Television Camera-Exposed Facility 2: HDTV-EF2
また、20倍光学ズームのハイビジョンカメラと高感度・光学5倍の4Kカメラを搭載しています。
これまでに各国の様子や、雲の動き、災害現場の撮影などを行っています。