宇宙での実験、宇宙飛行士、そして「きぼう」を
24時間見守るワンチーム。
「きぼう」運用管制室では、「きぼう」を正常な状態に保ちながら、実験運用や宇宙飛行士の支援を24時間体制で行っています。ここでは、宇宙ステーションの映像やデータを常に監視し、モニタしています。また、実験装置などをリモートで操作したり、宇宙飛行士と交信して、実験の指示を送ったりすることができます。
「きぼう」運用管制室
「きぼう」の運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)は、総指揮をとるフライトディレクタと「きぼう」の各システムの専門知識を持つ運用管制員たちで構成されています。
NASAをはじめとする各国の運用管制員や、ISSに滞在する宇宙飛行士と連携し、手順や計画などに従って「きぼう」のシステム機器や日本の実験装置を監視。制御コマンドの送信やリアルタイムでの作業進捗を管理します。また、各国の運用管制センターとの調整、緊急事態や不具合への対処も行います。
実験運用管制室
実験運用管制チームは、「きぼう」に搭載、設置されている実験装置の状態を、軌道上からリアルタイムで送られるデータをもとに監視。地上からそれらの機器をコントロールし、実験を遂行しています。
宇宙飛行士による実験サンプル交換や新規実験機器取付などの作業がある場合、地上から作業をサポートするのも実験運用管制チームの役割。また、実験装置を使わず、より小規模な実験機器・器具類を用いた教育文化ミッション(EPO)や、医学ミッション(Medical)などの運用も実施しています。
管制チーム
「きぼう」運用管制チーム
JAXA Flight Director
Control and Network Systems, Electrical Power, and ICS Communication Officer
Fluid and Thermal Officer
Astronaut Related IVA and Equipment Support
Kibo Robotics Team
JEM Communicator
JAXA Planner
Tsukuba Ground Controller
JEM Payload Officer
JAXA Extravehicular Activity
実験運用管制チーム
Exposed Facility Payload Officer
Biology Ops Lead
FluId ScIence and Crystalization Science Ops Lead
GHF Ops Lead and Engineer of Material Science
MSPR Engineering and Integration Staff for Enterprising Research
General Non-rack Operation for Medical and Education
管制チーム訓練
運用管制員になるためには訓練プログラムを経て「認定」される必要があります。候補として推薦されてから最終的に認定されてシフト業務をこなすまでには約1年半~2年間かかります。
さらに、新人育成を目的としたJAXA独自の運用シミュレーション訓練だけでなく、NASAやESAと合同で、「きぼう」の実運用を模擬した訓練を行っています。
運用管制員になるための道のり
CANSEI, FLAT, J-PLANなど、どのチームの認定を目指すか決められた上で訓練を始めます。
「きぼう」に関する技術資料はたくさん蓄積されています。この中で必要な教材をひたすら自主学習します。英語はTOEICの点数で代用することができます。
約2週間、朝から夕方までみっちり座学講座を受けます。まるで塾の夏期講習?のような毎日!
1つの不具合が出るケースから、最終的な複数不具合+緊急事態が出るケースまで、シミュレーション訓練を実施します。実際にコマンド(指令)を打って対処する所まできちんと模擬されます。
管トレで勉強した内容の筆記・実技テストを受け、合格したら一安心。座学訓練から実務訓練へ!
今まで実施してきた訓練内容について口頭試問を実施します。この他にもよる遅い不規則なシフト生活に不安は無いか等、体調に関する面接も実施します。
認定シミュレーション(約8時間)を通して実シフトに入れる能力があるか、評価されます。判断力や優先順位の付け方を見られています。
最後に認定に必要な項目は完了しているか、シフトに入っても問題ないか、審査されます。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA