HTV-X1号機 技術実証ミッション紹介「展開型軽量平面アンテナの軌道上実証（DELIGHT）」

新型宇宙ステーション補給機（HTV-X）1号機では、国際宇宙ステーション（ISS）離脱後の技術実証ミッションフェーズにおいて、HTV-Xを実証プラットフォームとして活用したミッションを実施予定です。今回はそれらの中から、『展開型軽量平面アンテナの軌道上実証（DELIGHT）』をご紹介します。

DELIGHTは、JAXA研究開発部門 宇宙太陽光発電システム（SSPS）研究チームが実施する、将来の大型宇宙構造物構築を見据えた軌道上実証です。DELIGHTでは、HTV-X1号機を軌道上プラットフォームとして利用し、新たなパネル展開・結合機構を実装した展開型軽量パネルを軌道上で展開し、展開中の挙動や展開後の構造特性を計測します。また、同パネルの一部に搭載した軽量平面アンテナで地上局からの電波を受け、受信レベルの計測を実施します。さらに、ミッションの意義・価値を高めるために、次世代宇宙用太陽電池セルの実証も実施します。

本ミッションは、SSPSが必要とする数百m～数kmの大型宇宙構造物の実現に向けた当面の目標である、30m級大型平面アンテナを必要とする静止降水レーダの実現だけではなく、通信、電波天文、災害監視・安全保障等の様々な分野の衛星搭載用アンテナの大型化・軽量化に貢献します。