インクリメント63

更新 2020年11月 9日

インクリメント63期間

2020年4月17日~2020年10月22日

インクリメント63キーメッセージ

きぼう、先端技術獲得へのチャレンジ
~先端細胞培養技術の実証と有人探査、事業自立化へ向けた利用事業拡大の継続~

インクリメントマネージャ紹介

矢野幸子
インクリメント63マネージャ

インクリメント63(Inc63)のインクリメントマネージャ(IM)を務めました矢野幸子です。2019年のInc59/60に続いて2度目のIMを担当しました。

Inc63は4月から始まり5月に「こうのとり」9号機がフライト  しました。また米国企業が開発した宇宙船の初の有人による飛行(SpX-Demo2)が成功しました。
「きぼう」では、ISSを経済活動の場にする活動が進展しており、JAXAは超小型衛星放出事業に関して民間の事業者が担当した初の小型衛星の放出に成功しました。また、Space BD社から引き渡されたスペインの宇宙ベンチャー製地球観測カメラ(iSIM)の船外プラットフォームへの取り付けも成功しました。「きぼう」の新たな利用法として「きぼう宇宙放送局技術実証(Space Studio KIBO) 」も実施しました。
10月には国際協力の推進に寄与する「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)  という、JAXAとNASAのISS船内ドローンを使用したプログラミング競技会を開催しました。このように、Inc63においても多くのミッションを実行し、「きぼう」利用成果に貢献できたことに、インクリメントチーム一同、ほっとしています。
このInc63の期間は地球上では新型コロナウィルス感染症の影響で全世界的に大変な時期だったといえるでしょう。新型コロナウィルス感染症対策により、新しいビジネス様式が模索されリモートワークが進んだ時期でもありました。JAXA運用チームは軌道上運用を維持するため、新型コロナ感染対策にいち早く取り組むとともに、リモート会議システムやチャット、電話やメールを活用して軌道上運用の準備実行が円滑に行われるように工夫しました。ただ通常の時期なら難なく行われるオンサイト作業の中には、フライト準備に関して影響を受けたものがあり、いくつかのミッションは延期を余儀なくされました。様々な制約の中でミッション成功を目指して進める活動の中、軌道上運用への研究者の参加が遠隔でできるようになるなど、実験運用が進展しました。

Inc63での活動は、今後のより良い「きぼう」利用へとつながります。私はこれからの有人宇宙探査時代に向けて、新たな研究開発フェーズへ移り変わる時期にIMを務められたのは大変幸運だったと思います。今後の有人宇宙探査や「きぼう」利用の進展に、皆様の応援をお待ちしております。

ご協力ありがとうございました。

この度、インクリメント63(Inc63)のインクリメントマネージャ(IM)に任命されました矢野幸子です。2019年のInc59/60に続いて2度目のIMを担当します。

4月から始まるInc63の注目点として、こうのとり9号機がフライトする予定です。こうのとり9号機には新しい顕微鏡(ライブイメージングシステム)が搭載されています。これによって宇宙のライフサイエンス研究の発展が期待できます。 またこのInc63では米国企業が開発した宇宙船の初の有人による飛行が期待されています。

「きぼう」では引き続き、ISSを経済活動の場にする活動が進展しています。JAXAは超小型衛星放出事業に関して民間の事業者を選定し、今年注目の小型衛星を放出することを計画しています。またSpace BD社から引き渡されたスペインの宇宙ベンチャー製地球観測カメラの船外プラットフォームへの取り付けも予定しています。また、「きぼう」の新たな利用法として「きぼう宇宙放送局技術実証 」の準備などを開始しています。また、Kibo Robot Programming Challenge  として、JAXAとNASAのISS船内ドローンを使用したプログラミング競技会を開催する予定です。このように「きぼう」利用成果創出のために複数分野にわたるミッションが予定されており、インクリメントチーム一同、確実なミッション実現を目指して活動していきます。

また2回目のIM任命に当たり、これから来る有人宇宙探査時代に向けて、時代が新たな研究開発フェーズへ移り変わっている時期だと認識しております。広く長い視点からこの宇宙ステーション計画を展望することが重要だと実感しております。

引き続きIMとして、宇宙実験の準備と実行を進めていきます。

利用ミッション(実施)

超小型衛星放出プラットフォーム

無容器処理技術を利用した材料研究への貢献(革新的材料研究支援プラットフォーム)

新プラットフォーム形成(細胞医療への貢献に向けた立体培養技術の有効性実証)

新プラットフォーム形成(新素材の宇宙実証による信頼性向上への貢献)

新プラットフォーム形成(産業応用の促進)

  • きぼう宇宙放送局技術実証【Space Studio KIBO】
  • お酒まろやかミッション【Spirits Maturation】

  • ※利用ミッションは、「きぼう利用戦略」の具体的取り組みの分類に基づいたマッピング(図1)を基に優先順位を定めています。
図1 インクリメント63利用ミッションの「きぼう利用戦略の具体的取り組み」マッピング

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 きぼう利用センター
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