STORY 3-1
さあ、月に行こう。
そして、人類は再び、月をめざす。
「アルテミス計画」 NASAは再び月に宇宙飛行士を送り、 月の探査を行う。 2020年には、 日本の文部科学省とNASAは 月探査協力に関する共同宣言をした。
宣言の中では、技術協力だけでなく、 日本人宇宙飛行士初の月面着陸への展望も。
日本人が月へ旅立つ日ももうすぐかもしれない。
世界が日本に期待している。
「アルテミス計画」では 無人、有人の月周回ミッションを経たあとに、 月の周回軌道上に「ゲートウェイ」と呼ばれる 人が滞在可能な拠点を建設することが計画されている。 そんな壮大なプロジェクトに、日本の力が必要とされているんだ。
宇宙飛行士が滞在できる環境を整えること。 地球から物資を届けること。 月面の様々な調査をすること。 月の上を走り回れる車をつくること。
これらはぜんぶ、世界から日本が期待されていることだ。
日本なら、きっと届けられる。
まず注目されているのは、日本の輸送能力だ。
新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)は、 高いミッション成功率を誇った「こうのとり」(HTV)の後継機。 「こうのとり」よりも多くの物資を積み込める上、 冷凍庫や実験装置などの電源が必要な荷物も対応可能になるなど、 世界中が多くの期待を寄せている。
月面を自由に探査するために。
ベンチャー企業も大手企業も関係なくいろんな民間企業が 月面探査のための車、「月面ローバー」に取り組んでいる。 中でも自動車メーカーとJAXAが共同して研究開発している、 「有人与圧ローバー」は、 車内では宇宙服を必要としない、まるでタイヤのついた宇宙船だ。
そのためのデータ取得の一つとして、 「きぼう」日本実験棟内にある重力を自由に変えられる装置で、 月や火星の重力下での液体の挙動を調べる実験も行われている。 このデータはローバーの設計に生かすことができるのだ。
さらに、2025年度以降に計画されている、 月に存在する水を探す月域探査機(LUPEX)プロジェクトの成果も、 その後の有人月探査に役立つはずだ。
2021年、13年ぶりに行われた新たな日本人宇宙飛行士候補者の募集。 選ばれた宇宙飛行士候補生は、月を目指すことも視野に入れられている。 これからは定期的に募集も行われる予定だ。
もし、君が宇宙飛行士となって、月面をドライブする車が日本車だったとしたら… ちょっとワクワクしてくるだろ?
日本がつくった月の地図。
未知の場所を進むとき、ひとはその手に地図が必要だ。 いま、アルテミス計画で進めている月の活動には、 日本でつくられた月の地図も活用されている。
2007年から2年間運用していた 月周回衛星「かぐや」で作成したその地図は、 地上からは見えない月の裏側の地形まで正確にとらえた。 内部構造や、鉱物の組成まで、そこには記されている。
建設、輸送、車の開発、そして地図づくり……。 それらはぜんぶ、日本への信頼の証だ。
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