STORY 3-1

さあ、月に行こう。

そして、人類は再び、月を目指す

2026年4月、 宇宙飛行士が乗った有人宇宙船 アルテミスⅡが月を周回した。

人類は再び、 月のそばまでたどり着いた。

2020年には、 日本とNASAが月探査で協力することを確認し、 その中には、 日本人宇宙飛行士が月で活動する未来も含まれている。

日本人が月へ旅立つ日ももうすぐかもしれない。

さあ、月に行こう。

世界が、日本に期待している。

「アルテミス計画」では、 無人・有人の月周回ミッションを経て、 月のまわりや月面での活動を広げていく構想が進んでいる。

月の周回軌道上に拠点を置く構想や、 月面でのインフラ整備など、 さまざまなかたちで人類の活動を広げようとしている。

そんな壮大な挑戦に、 日本の力が必要とされているんだ。

世界が日本に期待していること。 それは、宇宙飛行士が安全に生活し、作業できる環境をつくること。

たとえば、 二酸化炭素や微量の有害なガスを取り除き、 酸素の濃さを保つ装置をつくること。 地球から、必要な物資を確実に届けること。 月面で暮らすために欠かせない、 電力を安定して供給すること。

人が宇宙で長く活動するための、 見えないけれど、とても大切な役割。

それらはすべて、 これまで培ってきた経験をもつ日本に、 世界が期待していることなんだ。

世界が、日本に期待している。

日本なら、きっと届けられる。

その期待に応える力として、 とくに注目されているのが、日本の輸送能力だ。

新型宇宙ステーション補給機「HTV‑X」は、 高いミッション成功率を誇った 「こうのとり(HTV)」を受け継ぐ次世代機。

より多くの物資を運べるだけでなく、 冷凍庫や実験装置など、 電力を必要とする荷物にも対応できるよう進化している。

そして2025年。 初号機「HTV‑X1」の打上げ成功によって、 日本の輸送力は大きく前に進んだ。

HTV‑Xの役割は、 ISSに物資を届けて終わりじゃない。 ISSを離れたあとは、 軌道上で将来の宇宙技術を育てる プラットフォームとしても活用できるんだ。 まさに、“二刀流”。

人が宇宙で活動し続ける時代へ。 将来の有人月探査や、その先の冒険にとっても、 HTV‑Xは欠かせない存在になっていくはずだ。

日本なら、きっと届けられる。

月面を自由に探査するために。

月で活動するためには、 「どう移動するか」がとても重要になる。

ベンチャー企業も、大手企業も、 さまざまな民間企業が力を合わせ、 月面探査のための車、「月面ローバー」の研究開発に取り組んでいる。

中でも、自動車メーカーとJAXAが共同で進めている 「有人与圧ローバー」は、 車内で宇宙服を着ることなく活動できる、 まるでタイヤのついた宇宙船のような乗りものだ。

月で“安全に動く”ための準備。

ローバーを走らせるためには、 月の環境をよく知る必要がある。

そのための研究のひとつとして、 「きぼう」日本実験棟では、 月や火星の重力を再現できる装置を使い、 液体のふるまいを調べる実験が行われている。

こうしたデータは、ローバーの設計や、 月面での人の活動を支える技術に生かされていく。

月を知ることが、未来につながる。

さらに、 月の南極で水資源を探す 月極域探査機「LUPEX」も進められている。

打上げは、2028年度を目指して計画されており、 月に存在すると考えられている水の分布や状態を調べることで、 その後の有人月探査にとって、 重要な手がかりをもたらすはずだ。

その先にあるもの。

こうした準備が積み重なった先に、 月面を自由に走り回るローバーがあり、 そこで活動する「人」の姿がある。

もし、いつか誰かが月面でハンドルを握り、 その乗りものが日本で生まれた技術だったとしたら……。 ちょっと、ワクワクしてくるだろ?

月面を自由に探査するために。

日本がつくった月の地図。

未知の場所を進むとき、ひとはその手に地図が必要だ。 いま、アルテミス計画で進めている月の活動には、 日本でつくられた月の地図も活用されている。

2007年から2年間運用していた 月周回衛星「かぐや」で作成したその地図は、 地上からは見えない月の裏側の地形まで正確にとらえた。 内部構造や、鉱物の組成まで、そこには記されている。

建設、輸送、車の開発、そして地図づくり……。 それらはぜんぶ、日本への信頼の証だ。

日本がつくった月の地図。

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