STORY 2-1

僕らのそばの宇宙。

宇宙へと挑戦の舞台をひろげてきた僕ら。

しかし、それは遠い場所での出来事なんかじゃない。10km行けば、あの雲に手が届く。100km行けば、ゆらめくオーロラの中。ISSはもうすこし先、400km上空に浮かぶ、僕らの基地。

それでは、そこで得られた成果は、暮らしにどんな影響を与えている?その答えは、意外と身近にあふれている。

僕らのそばの宇宙。

宇宙から、たくさんのものが生まれた。

たとえば、多くのいのちをつなぐ人工心臓。心臓の中で働く、そのちいさなポンプづくりにたずさわったのは、スペースシャトルの技術にも詳しいNASAのエンジニアだ。自らが移植手術を受けたことをきっかけに開発をはじめ、シャトルの燃料ポンプの技術を生かして、ちいさく、軽く、安全で、子どもの体にも使える人工心臓をつくりあげた。

宇宙にかかわるテクノロジーは、ほかにもたくさんある。明日の天気を知る気象衛星も、スマートフォンを便利に使うためのGPS機能も。

宇宙のおかげで、僕らの暮らしはおおきく変わってきたんだ。

宇宙から、たくさんのものが生まれた。

僕らのそばに、宇宙はいる。

地上で培った技術の宇宙での応用も、さらに加速している。

光による大容量データ通信の実現を目的にしたプロジェクトもそのひとつ。家庭用のCDプレーヤーなどで培った光ディスクの技術をもとに、宇宙を飛び交う人工衛星間や、宇宙と地上での通信を実現する。光なら、電波ではできなかった大容量通信が可能なんだ。実際に、こうのとり8号で運んだSOLISSは、ISSと地上の間で、レーザー光を用いて、地上とのイーサネット通信を世界で初めて成功させた。

宇宙はもう、遠く離れた場所ではない。地上で暮らす僕らのそばには、たしかに、宇宙がいる。

僕らのそばに、宇宙はいる。

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