細胞の重力センシング機構の解明

更新 2022年2月18日

Cell GravisensingElucidation of gravisensing mechanism in single cells

実施中
宇宙利用/実験期間 2021年 ~ 2021年
研究目的 宇宙生物学において「細胞がどのように微小重力を感知するか?」は大きな課題となっており、これまでの宇宙実験により、動物細胞が単独で重力を感知することが明らかになってきていますが、細胞の重力感知のメカニズムはほとんど分かっていません。そこで、本研究では、「核・ミトコンドリアに対する重力作用の消失が、相互作用する細胞内骨格であるストレス線維の張力に影響を与え、細胞内の小器官自体の機能・形態にも作用し、下流のシグナル系を賦活することで、細胞が微小重力環境を感知する」という仮説を実証することを目的とします。
宇宙利用/実験内容 地上で準備した培養細胞を「きぼう」へ輸送したのち、そこに設置されているインキュベータ(細胞培養実験装置:CBEF)内で、培養します。インキュベータには人工 1G区とµG区が備わっており、それぞれに培養細胞試料を設置し、所定の期間培養を行います。培養の様子については、「きぼう」に設置されている顕微鏡により1GとµGでの培養細胞の様子の違いをリアルタイムで観察します。実験終了後は、試料の保存処置を施した後、地上に回収し、さらに詳細な顕微鏡観察、また、遺伝子やタンパク質の発現変化について詳細に解析を行います。
期待される利用/研究成果 微小重力における筋萎縮や骨量減少は、細胞が微小重力を感知することから端をはっし、さらに組織・個体レベルでの筋萎縮・骨量減少へと繋がると考えられています。従って、根本となる感受メカニズムを解明することは、宇宙空間での筋萎縮・骨量減少、さらには地上での寝たきり状態での病態の予防・治療法の開発に繋がることが期待されます。
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細胞の重力センシング機構の解明 [ pdf: 503.4 KB] 70641

曽我部 正博 SOKABE Masahiro

金沢工業大学人間情報システム研究所 教授


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