2022年度「きぼう」利用マウスサンプルシェアテーマ募集の選定結果について

公開 2023年3月10日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」利用マウスサンプルシェアテーマとして、15件を選定しました。

JAXAは、「きぼう」利用の裾野拡大および、「きぼう」で実施された第4回および第5回小動物飼育ミッションでの未解析組織の有効活用を目的として、2022年10月から12月にかけて、マウスサンプルシェア研究提案の募集を行いました。

応募のあった提案22件について、きぼう利用テーマ選考評価委員会(生命医科学)およびJAXAにて選考した結果、以下のとおり15件のテーマを選定しました。研究代表者の所属機関とJAXAで共同研究契約を締結後、JAXAから提供するマウスの未解析組織を用いた評価・解析を行い、学術的成果をとりまとめていただく予定です。

選定テーマ一覧

提案者 テーマ名
池田 康将(徳島大学) 微小重力が消化管鉄吸収へ与える影響の解明
角田 伸人(同志社大学) 脳圧に依存する神経細胞の形態変化
豊國 伸哉(名古屋大学) 「きぼう」船内微小重力環境における歯槽骨代謝機構の解明
平 修(福島大学) 非侵襲サンプルによる低重力下ストレス度合いの可視化
浦田 真次(東京大学) 長期宇宙空間滞在による海馬への影響
澁川 義幸(東京歯科大学) 低重力環境における口腔歯科医学展開にむけた基礎研究基盤
山中 芳亮(産業医科大学) 宇宙環境が関節拘縮発症に与える影響
阿部 高明(東北大学) 宇宙フライトにみられる加齢時計変化
加来 賢(新潟大学) 低重力が骨組織に及ぼす影響の解明
―深層プロテオミクスによる細胞外マトリックスの網羅的定量解析―
佐藤 洋平(東京慈恵会医科大学) 無重力空間が免疫細胞の組織常在性に与える影響の解析
草間 和哉(東京薬科大学) ホルモン産生能に与える宇宙・微小重力環境の影響
吉川 雅朗(大阪歯科大学) 微小重力環境下の脊髄におけるドパミン関連因子の解析
齋藤 琢(東京大学) 力学的負荷による運動器の恒常性維持機構の解明
暮地本 宙己(東京慈恵会医科大学) 低重力環境における胃消化適応メカニズムの機能形態解析
柳樂 慶太(鳥取大学) 無重力がマウス関節軟骨の軟骨内骨化進行に与える影響

(注) 今回は「きぼう」の微小重力環境において月の重力と同程度の人工重力を付加した環境(低重力環境)で飼育したマウスのサンプルシェアであり、JAXAでは「微小重力」と区別して「低重力」と標記しています。ただし、各提案者は、本主旨を理解したうえで、テーマ名に「微小重力」あるいは「無重力」を含めている場合があります。

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