新たな減免制度による、きぼう有償利用案件の募集(インクリメント71、72)について

更新 2023年11月15日
公開 2023年5月31日

きぼう有償利用(非定型サービス)※1では、将来、地球低軌道(LEO)が持続的な社会・経済活動の場となることを目指し、その技術実証・事業実証の場として「きぼう」日本実験棟を最大限活用するため、利用ニーズの多様化に対応する料金メニューやリソース料(宇宙リソースの使用料)の減免制度を設けてきました。
この度、地球低軌道活動の持続的かつ経済的なエコシステムとしての発展に向け、更なる利用拡大を図るため、民間企業によるユーザの開拓や事業実証向けのリソース料の減免措置を拡大し、インクリメント72※2 までを対象に有償利用案件を募集いたします。
なお、本減免措置については、今後の利用状況などを踏まえ概ね半年~1年ごとに見直しを行う予定です。
また、別途募集しております『「きぼう」日本実験棟を利用したCM撮影案件の募集』についても、一定の条件の下で上記の減免料金を適用いただけます。詳しくは、募集ページをご覧ください。

※1 定型サービス(高品質タンパク質結晶生成、静電浮遊炉利用、超小型衛星放出、中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を介した船外ポート利用)以外の利用
※2 インクリメントは国際宇宙ステーション(ISS)の運用期間の単位です。

1. 拡大する減免の内容

民間企業による事業実証機会を拡大するため、従来のトライアルユース制度では、原則初回利用のみを減免の対象としていましたが、2回目以降の利用の場合でも、事業実証のためであれば回数の制限なく減免制度を活用可能とします。

減免のカテゴリ
減免の対象事業
減免の対象となる費用
減免率※3
民間企業によるユーザ開拓・事業実証(従来より条件及び減免率を拡大)
地球低軌道活動の利用拡大に向け、新規ユーザ開拓及び事業実証を目的とした利用(2回目以降の利用の場合も減免の適用が可能)
利用リソース
(受託料金は、利用リソース料および経費※4から構成されますが、減免の対象となるのは利用リソース料です。)
100%
(利用リソース料全額減免)
(参考)アカデミアによる利用(従来から変更なし)
アカデミア(国内の大学や公共的研究機関など)による研究開発目的の利用
同上
打上げ重量の規模で区分し全リソース料の70~90%を減免
(参考)公共性の高い利用(従来から変更なし)
国内の大学など教育機関(学校法人)や非営利団体(NPO)による公共性の高い社会的活動に貢献する利用
同上
同上
※3「アカデミアによる利用」または「公共性の高い利用」に該当する利用者を顧客として民間企業が「民間企業によるユーザ開拓・事業実証」のカテゴリで申し込みいただく場合も、100%の減免率が適用されます。
※4「経費」は利用内容によって異なります。申し込み後に利用内容に基づいた見積りをご提示いたしますが、費用感のイメージは次のとおりです。

費用のイメージ

JAXAが担う作業を実施するにあたって、ご負担いただく費用のイメージは次のとおりです。
なお以下は費用のイメージをつかんでいただくために参考となる代表的なケースにおいて算出した例示です。実際には、申し込まれた案件ごとに必要な作業を算出し、その積み上げによって経費が積算されます。ミッション期間や搭載品の運用等によって、実際の契約額は大きく異なる場合があることを予めご了承ください。

参考ケース
費用感イメージ(万円)
備考
クルーによるメッセージ撮影
300~500
クルーがあらかじめ決められたメッセージをカメラの前で話し、それを録画するケース。撮影したデータは別途ダウンリンク。
きぼう船内に物品を置く等の簡単なクルー作業の利用
600~900
クルーが簡素な物品を設置し、それを撮影するなどの簡易な作業を実施するケース。撮影したデータは別途ダウンリンク。
ユーザの実験装置を打上げ、軌道上で合計1~2時間程度の設置・操作を行う利用
1,000~1,500
クルーが実験装置を設置、操作、撤収をするケース。実験中の撮影も実施。実験データ等は別途ダウンリンク。
このイメージは今回の対象となるインクリメント70及び71、72を想定したものになっています。インクリメント73以降については、制度の見直しを行うことが想定されます。

2. 減免の適用条件

本制度を適用するためには、次の全ての条件を満たす必要があります。

  • ① 将来的に事業化を目指す利用であること。なお、事業の内容は問いません。単一の利用ミッション事業でも、複数分野の利用者に対して利用サービスを提供する事業でも構いません。
  • ② インクリメントあたりのきぼう有償利用(非定型サービス)全体※5の積算リソース量が次の上限値に達していないこと(現在の積算リソース量は4項を参照)
    • 打上げ重量: 25kg/インクリメント
    • 回収重量: 5kg/インクリメント
    • クルータイム:  48時間/インクリメント
    • 通信: データ量に制限はありません。ただし、 Downlinkレートは要調整(最大20Mbs程度)であり、常時帯域を確保することはできません。
    • 軌道上保管、冷凍・冷蔵機能 については、上限は設けませんが、JAXAの使用状況に応じて個々に受託の可否を判断させていただきます。軌道上には様々な装置・機器があり、保管場所、特に冷凍・冷蔵庫内の保管場所は限られます。申し込みいただく物品の保管要求によっては、減免適用や受託ができない場合がありますこと、ご了承ください。
  • ③ 利用を希望するインクリメントに準備が間に合う見込みがあること。
※5「民間企業によるユーザ開拓・事業実証」、「アカデミアによる利用」、「公共性の高い利用」の3つのカテゴリの合算です。

① の条件が満たされているかを確認するために、申し込みいただく利用ミッションとの関係を含む事業計画を、申し込み時に提出していただきます。

②、③ の条件が満たされているかを確認するため、「申し込みデータ記入シート」に示す必須の情報・データを、申し込み時にすべてご提示いただきます。

3. 募集の対象となる利用期間と申し込み期限

本減免制度は、概ね半年~1年ごとに見直しを行う予定です。
このため、1項の減免率での申し込みを受け付けるインクリメントを限るとともに、その申し込みにあたっての条件などは次のとおりといたします。

インクリメント70(2023年9月下旬~2024年3月下旬)利用
申し込みを受付けるのは困難ですが、個別にご相談ください。
インクリメント71(2024年3月下旬~2024年9月中旬)利用

インクリメント71利用については、申し込みから利用実施までの期間が短いことから、以下の条件を満たす案件を受付けます。(詳細条件は、申し込みデータ記入シートをご確認ください)

    • きぼう船内利用
    • 新規の打上げ品がある場合、安全上の懸念が少なく(安全審査CAT1に該当)、軌道上クルーによる操作または軌道上Laptop経由で地上から遠隔操作可能なもの。また、射場・回収場でのユーザ側作業が不要なもの
    • 運用管制をJAXAが実施する利用(利用者によるモニタ・支援等は可能)

申し込み期限: 2023年6月30日 締め切りました

  • ※ 制約条件は厳しくなりますが、以下を許容できる場合に限り、2023年7月1日から10月31日まで追加で申し込みを受け付けます。

    • 新規の打上げ品が不要(物品の打上げに必要な手続きが間に合わないため)
    • 受託決定まで最長で3~4か月程度を要する(前述の料金減免対象枠の調整完了後に改めて本リソース枠の調整が必要なため)
    • ご希望の日程でミッションが実施できない場合がある(同上)
インクリメント72(2024年9月中旬~2025年3月下旬)利用

以下の条件に当てはまる案件を受付けます。(詳細条件は、申し込みデータ記入シートをご確認ください)

    • きぼう船内利用
    • 射場・回収場でのユーザ側作業が不要なもの
    • 運用管制をJAXAが実施する利用(利用者によるモニタ・支援等は可能)

申込期限: 2023年9月1日 締め切りました。

打上品があり、安全上の懸念が一定以上あるもの(安全審査CAT2以上に該当)、または運用管制にあたり新規でテレメトリ・コマンド送受信を要するもの。

それ以外の申込期限: 2023年11月14日 締め切りました

  • ※制約条件は厳しくなりますが、以下を許容できる場合に限り、2023年11月15日から2024年5月7日まで追加で申し込みを受け付けます。

    • 新規の打上げ品が不要(物品の打上げに必要な手続きが間に合わないため)
    • 受託決定まで最長で3~4ヶ月程度を要する(前述の料金減免対象枠の調整完了後に改めて本リソース枠の調整が必要なため)
    • ご希望の日程でミッションが実施できない場合がある(同上)

原則として、申し込んだインクリメント内でミッションを実施いただきます。実施時期を次のインクリメント以降に延期することは、JAXA側の責に起因する場合など※6を除いてできませんのでご注意ください。
延期ができる場合においても、延期先のインクリメントのリソース使用計画状況によっては実施が困難となる場合があります。また、インクリメント73開始以降の実施になる場合には、減免制度の見直しに伴い、料金を含む契約条件が変更になる可能性があります。ミッション実施時期については慎重にご検討ください。

※6予定していた輸送機の打ち上げが延期された場合、申し込み時点では遅延を予測できなかったとJAXA側で判断された場合など

4. インクリメント当たりの対象案件全体の積算リソース量

クルーリソース、打上重量および回収重量については上限に達しました。

5. 申し込み書類

減免の適用を希望される場合は、お申し込みにあたり、以下の資料をご提出ください。提出先は、「申し込みデータ記入シート」に記載のメールアドレスです。

なお、本制度の利用には、申し込みされるインクリメントでの実施が前提となるため、申し込み時点で実施内容がある程度決まっている必要があり、申し込みデータ記入シートの項目には専門的な内容を含みます。
アイディアはあるがどのように準備をすればよいのかわからない方、申し込みデータ記入シートの内容がわからない方は、まずは以下の「お問い合わせ」からご相談ください。

参考情報

採択後、運用準備を行います。運用準備では御利用者からまとめて情報を提供いただきます。運用準備期間中に提示いただきたい情報については、以下のシートを御参照ください。本シートの情報を元にミッションに応じて個別に調整させて頂きます。

お申し込みは、「申し込みデータ記入シート」に記載のメールアドレスにファイルをご送付ください。


不明な点やご質問などがございましたら、以下の問い合わせフォームよりご連絡ください。

お問い合わせ

6. 申し込み書類の受理など

  • 申し込みいただいた後、事業計画、および申し込みデータ記入シートに必須の情報・データが含まれることを確認し、申し込みを受理いたします。
  • 申し込み受理後、リソースの適切性(特に打上重量、回収重量、クルータイム)およびスケジュール実現性をJAXAにて評価させていただきます。
  • 評価後、申し込み受理順にJAXAの有償利用委員会にて受託可否および減免適用可否を審査します。
  • 有償利用委員会での審査にて受託可(=受託決定)となった後、JAXAは申し込みいただいた組織との間で有償利用契約の締結を行います。

7.利用資格・実施内容の制約・留意事項

有償利用制度(非定型)を利用するにあたり、利用資格・実施内容の制約・留意事項の各条件を満たすことをご確認ください。

8.その他

本減免制度の見直しおよび申し込みを受け付けるインクリメントの追加に関しては、都度、ご案内いたします。概ね半年~1年ごとに見直しを行う計画です。


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