永瀬 泰宏
有人宇宙システム株式会社 宇宙システム開発ユニット 探査技術インテG グループリーダ
■担当業務の概要
HTV-Xの構造系、熱系、宇宙環境適合性の開発に係る設計支援やNASA調整支援等を担当してきました。特に、HTV時代の設計とは異なる展開型の太陽光パネル（SAP: Solar Array Panel）の開発を主に支援してきました。HTV-X1号機の実運用においては、ET（エンジニアリングチーム）Leadと呼ばれる技術支援のとりまとめを担うチームに所属して運用を支援する予定です。また、HTV-Xを受け入れる側のISSの一部である日本実験棟きぼうのJAXAフライトディレクタとしてもHTV-X1号機の軌道上での運用を支える予定です。
HTV-X1号機に込めた思い
2019年にHTV-X1号機の開発設計支援に携わり、当時から約7年の時を経てついに宇宙へと旅立つHTV-X1号機の雄姿が今からとても楽しみです。自分の人生経験の中で、これほど大掛かりなシステムの開発設計に携わった経験はこれまでありませんでした。技術的に難しい部分がある中で、コロナ禍などの様々な困難や試練も乗り越え、ついに国際宇宙ステーションへの補給ミッションへと向かう日を迎えられることに、万感の思いです。HTV-X1号機は、技術的にも運用面でも新たな挑戦が詰まった機体であり、その成果が宇宙開発の未来につながることを願っています。これからがミッション本番。100点満点と言ってもらえるような成果を出せるよう、実運用に全力で臨んでいきたいと思います。