
奥寺 裕之
株式会社IHIエアロスペース 課長
■担当業務の概要
X1号機では、推進系システムの技術とりまとめを担当しています。
今回の推進系システムは、HTVの後継機ということで、タンクや様々なバルブが搭載されていますが、HTVを上回る冗長系統が備わっており、より複雑なシステムとなっています。
そのシステムの開発試験の担当から始まり、工場での製造・試験、PFT、射場、運用まで推進系システムが正常に作動することを設計担当として行ってきました。今は推進系システムの技術とりまとめとして、全体を見ております。
HTV-X1号機に込めた思い
X1号機の推進系システムは、HTVのレガシーを引き継ぎつつ、新しくチャレンジした設計がいつかあります。特に力を注いだのが、HTVで大きな課題であった射場の期間の長さです。ここにこだわり、HTV-Xでは推薬充填方法をタンク1個ずつにできるよう、系統設計にしました。
1個ずつ充填するため、バルブが従来よりも増える重量デメリットもありますが他部分で軽量化するなど、こだわり続けた結果、今回射場での推薬充填の日程はHTVよりも大きく短縮できる成果が出まして、関係者からも非常に感謝されたことは担当して感慨深いです。
引き続き、新しく進化したHTV-Xミッションが完遂するまで、全力でサポートしていきたいと思います。