
桜井 景太
宇宙技術開発株式会社 第二事業部 第一衛星技術部 運用技術グループ リーダ
■担当業務の概要
2020年10月から、主に安全調整業務を担当しています。HTV-Xには多数の安全要求が課されています。安全審査会で国内およびNASAの承認を得なければ、HTV-Xを打ち上げることもISSに接近することもできません。安全調整では各企業と協調し、HTV-Xの設計開発および運用手順が安全要求に適合するよう調整します。過去に同意を得た内容でも最新の判断基準では不適合だと指摘を受けることもあり、難しい調整が多々生じました。しかし、安全調整での深い議論は運用文書に取り込まれ、実際の運用で不具合が生じた際に大きな助けとなります。
HTV-X1号機に込めた思い
HTV時代は「きぼう」の運用管制員として、ISSへの到着を迎え入れ、多くの補給物資を受け取り、再突入へと送り出す立場でした。最終号機のHTV9では、ハッチクローズ作業を「きぼう」管制室で見届けました。そこから約5年、今度はHTV-XをISSに送り届ける立場です。詳細設計フェーズからHTV-Xチームの一員となり、初めは分からないことだらけでした。多くの方々のご指導ご協力のおかげで、度重なる調整会や審査会を乗り越え、ようやくここまでたどり着きました。新時代の幕開けに立ち会えることをとても嬉しく思っています。運用チームとして最後のバトンを受け取り、安全調整で得た知識だけでなく、「きぼう」運用管制員としての知識経験もすべて活かしてミッション成功に貢献し、喜びを分かち合いたいです。
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