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プロジェクトコラム

HTV-X1
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中野 優理香

JAXA HTV-Xプロジェクト HTV-X1リードフライトディレクタ

■担当業務の概要
HTV-X1号機では近藤FDと2名体制でリードフライトディレクタを務めています。HTVのレガシーは引き継ぎつつ、設計も大きく変わったHTV-Xの運用フローをチーム全体で検討し、必要な運用プロダクトを構築しました。運用プロダクトとしてはフライトルール(ISSを運用する為の法律)や宇宙飛行士・地上向けの運用手順書等があります。実際の運用を見据えながら必要な運用プロダクトを、様々なレビューを経て完成させました。
また、HTV-Xでは訓練実施責任者として、運用管制要員の認定方法構築、養成・認定も行いました。HTV-Xに向けてどのような体制で臨むのがベストか?それぞれのチームに必要な知識や技量はどう定義して、どう評価すれば効果的か?というところから訓練実施計画書を作成し、数々のシミュレーション試験を経て、実運用に耐えうるチームを養成しました。

HTV-X1号機に込めた思い

HTV-X1の運用準備にあたって難しかったのは、HTVを9号機JAXAから飛ばした実績があるものの、HTV-Xは「全く別の新しい補給機」として扱っていく必要がある点です。
HTV-Xでは大きく設計や仕様が変わった為、新しい視点で必要な運用プロダクトを精査する必要がありました。HTVで築いてきた信頼を確実に引き継ぐためにも、準備における見落としは絶対にあってはならない。特に運用チームとして大切にしているのは”what-if”の考え方です。「もしこのタイミングでこの不具合や故障が起きたら?」「もし想定通りの挙動が確認できなかったら?」というのを常に考えて準備を進めてきました。「運用準備とは、してもしても、し足りないもの。最後は運用が砦なので細心の準備をすべし。」という先輩フライトディレクタ達の言葉を胸に綿密な調整と準備を重ねてきました。
最後は運用チームに任せて!という気持ちでHTV-Xチーム一丸となって、実運用ミッションを行っていきます。