
島村 宏之
JAXA HTV-Xプロジェクト フライトディレクタ
■担当業務の概要
HTV8号機・9号機ではHTV RNDVを担当し、そしてHTV-X1号機では、念願だったHTV-X Flight Directorを務めることになりました。HTV-Xの運用では、限られた時間の中で、難しい判断に迫られる場面が数多く想定されます。そこで最も重要なのは、「チーム全員が納得できる決断を迅速に下すこと」。これこそがFlight Directorとしての腕の見せ所です。各ポジションを信頼し、尊重しながら、意見を素早くまとめ、チーム一丸となってゴールに向かって一直線に進む。言葉にすると簡単ですが、これは、Flight Directorにとって永遠の課題でもあります。
HTV-X1号機に込めた思い
HTV-X1号機の打ち上げまで、あと28日。いよいよHTV-Xの実運用が近づいてきました。「本当にすべての準備は整っているのか?」「何か見落としていることはないか?」「もしこのとき、あれが故障したらどうする?」——毎日、不安や緊張と向き合いながら、準備を進めています。「ここまで来たら、もう仕方ない」と思いたくなることもありますが、「いや、そうはいかない!」と自分に言い聞かせています。それでも最後は、これまで積み重ねてきた努力を自信に変えて、HTV-X1号機の運用を全力で楽しみたいと思っています。きっと自分の人生で忘れられない経験になるはずです。HTV-X1号機に携われたことに、心から感謝しています。