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プロジェクトコラム

HTV-X1
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梶原 良介

JAXA 自動ドッキング技術実証プロジェクト 研究開発員

■担当業務の概要
ETのHTV-X TRAJとしてHTV-Xの軌道計画を担当します。
TRAJチームはISSの軌道からHTV-Xの打上げ時刻を計算したり、打上げからISS到着、ISS離脱から再突入までのスラスタ噴射計画(マヌーバプラン)を立案する、HTV-Xがどう飛べばよいのかを考えるナビゲータの役割を持っています。
打上げ前から精力的に活動を続けており、打上げ前・離脱前も忙しい、縁の下の力持ち的な運用ポジションの一つと言えます。もちろん、HTV-X飛行中もHTV-Xが正しい軌道を飛んでいるかの確認や、何かあった時のバックアッププランの検討等、軌道計画を止めることはありません。

HTV-X1号機に込めた思い

HTV時代から誘導制御系・軌道計画系を担当しており、HTV-Xプロジェクトチームに在籍時にHTV-Xの軌道設計や地上系開発、運用体制検討を担当しておりました。その中で、今までのHTVではできなかった、打上げ日の制約を設けずにランデブ期間をさらに短縮する検討を行い、HTVよりさらに短い通常3日間のランデブ期間でISSに到着できる軌道が出来たことはとてもエキサイティングに思っています。HTV時代の軌道のロバスト性・高信頼性を保ったままランデブ期間が短くなることで、HTV-Xはより運用者やユーザーにやさしい輸送機になっています。このHTV-XがISSに到着するまでをTRAJチームの一員として見守ることができるのを楽しみにしています。
HTV-X1号機が成功したのちには、現在開発中の自動ドッキング技術実証がHTV-Xで行われるので、日本の輸送技術のさらなる発展が期待できます。そして地球近傍から月、さらに遠くへと人類が活動範囲を広げる中で、日本の輸送機も発展を遂げていく未来を見据えています。