耐環境コーティングの溶射に向けたハイエントロピー希土類珪酸塩融体の熱物性測定

公開 2025年5月 9日

HEROESHigh Entropy Rare-Earth Optimization for Environmental Barrier Coatings

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研究目的 本研究では、高温融体状態におけるハイエントロピー希土類珪酸塩の熱物性を、静電浮遊炉を用いて世界に先駆けて精密に測定します。これにより、元素の多様化が物性に及ぼす影響を解明します。
宇宙利用/実験内容 静電浮遊炉(ELF)を利用し、地上では測定が困難な高融点材料の精密熱物性測定を行います。具体的には、試料を浮遊させ、レーザー加熱により2000℃以上の超高温に加熱します。溶融状態の希土類珪酸塩の密度、粘度、表面張力を測定し、熱膨張係数を算出します。組成の異なる複数の試料を系統的に評価することで、希土類元素の多元素化効果や、希土類とケイ素の比率が熱物性に及ぼす影響を明らかにします。
期待される利用/研究成果 本研究では、ハイエントロピー希土類珪酸塩の融液熱物性を世界で初めて測定し、元素の多様化と熱物性の関係性を解明することが期待されます。これらの基礎的知見は、材料科学の理論発展に寄与するものと考えられます。他方、高融点酸化物は溶射で製造される高温部材のコーティング材料として有望視されていますが、融体状態での熱物性データがほとんど存在しません。本研究で得られるデータは、溶射プロセスにおける従来の経験的手法を補完する科学的アプローチの一助となり、産業上への応用も期待されます。
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大川 采久 Okawa Ayahisa

東北大学 多元物質科学研究所 無機材料研究部門 環境無機材料化学研究分野 助教

2022年9月に長岡技術科学大学工学研究科技術科学イノベーション専攻5年一貫制博士課程修了。同年10月より現職

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 宇宙環境利用推進センター
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