線虫を用いた宇宙環境によるエピジェネティクス

更新 2022年7月 5日

EpigeneticsEpigenetics in spaceflown C. elegans

完了
宇宙利用/実験期間 2015年 ~ 2015年
研究目的 宇宙環境の微小重力下で生物が世代交代を繰り返した際に、子孫の核やミトコンドリアのゲノムに生じる遺伝的変異や変化、エピジェネティックな制御において、変化に何らかの方向性がみられるか明らかにすることを目的とします。
宇宙利用/実験内容 「きぼう」日本実験棟で、線虫の野生株および変異株(遺伝子が変化したもの)を、培養し植え継ぐことによって、4世代のサンプルを取得し、世代ごとに凍結して地上に回収します。また、一部を再び地上で培養し、遺伝子発現パターンに可塑性があるか否か、DNAの周りにあるヒストンタンパク質の化学修飾などを検討します。
期待される利用/研究成果 本研究の成果は、生物が宇宙環境で世代交代する際に子孫に生じる影響に関して、生物進化ならびに適応応答の方向性を分子レベルで理解することに大きく貢献します。また、長期有人飛行計画、月面基地計画など将来の長期有人宇宙活動による宇宙飛行士等への影響と適応性の解明、およびそこに生じることが想定される課題の回避に必要な対策にも展開できることが期待されます。
成果報告
関連トピックス
研究論文(Publication)
論文名
Loss of Physical Contact in Space Alters the Dopamine System in C. Elegans
雑誌名
iScience epub (2022), 103762.
論文名
Histone Deacetylase HDA-4-Mediated Epigenetic Regulation in Space-Flown C. Elegans
雑誌名
NPJ Microgravity, 7.1 (2021), 33.

東谷 篤志 HIGASHITANI Atsushi

東北大学 大学院生命科学研究科 教授

京都工芸繊維大学修了、1990年名古屋大学 博士課程修了(理学博士)。国立遺伝学研究所 細胞遺伝研究系 助手を経て、1997年東北大学 遺伝生態研究センター 助教授、2001年東北大学大学院生命科学研究科教授、現在に至る。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 宇宙環境利用推進センター
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