2024年度「きぼう」での静電浮遊炉(ELF)を利用した材料研究テーマ募集【基盤研究利用コース】の選定結果について

公開 2025年1月31日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟にある静電浮遊炉(ELF)を利用する材料研究テーマ募集制度(基盤研究利用コース)の搭載実験候補として、6件の提案を選定しました。

JAXAは、これまでに獲得・蓄積してきた無容器処理技術を適用し、ISS・「きぼう」で熱物性値の取得や新機能材料を創成することにより、科学技術の発展や産業への貢献等、科学的成果を社会に還元することを目的として、2024年8月から9月にかけて、熱物性値測定・新機能材料創成実験の搭載試料候補の募集を行いました。

応募のあった提案6件について、きぼう利用テーマ選考評価委員会(物質・物理科学)及びJAXAにて選考した結果、以下のとおりテーマを選定しました。選定後は、研究代表者の所属機関とJAXAで共同研究契約を結び、早期の軌道上実験の実施を目指し、JAXAと提案者が協力して適合性試験、安全性評価を行い、1年程度をめどに搭載の最終判断を行う予定です。

選定テーマ一覧

提案者 テーマ名
河野 義生(関西学院大学) 火星深部マグマの理解に向けた鉄に富むかんらん岩組成ケイ酸塩融体の密度・粘性率測定
堀川 敬太郎(大阪大学) 無重力無容器環境で溶解された硬質ナノ粒子分散Al合金の内部組織の解析 ―強化相分布とポロシティ形成に及ぼす重力の影響―
鈴木 祐太(同志社大学) レゴリスシミュラント系融体の熱物性計測
白鳥 英(東京都市大学) 月でのものづくりに向けた溶融月レゴリスの熱物性値測定
増野 敦信(京都大学) 機能性高充填密度ホウ酸塩ガラスのガラス形成メカニズムの解明
竹田 裕孝(ユニチカ株式会社) 3d 遷移金属と貴金属の完全固溶体ハイエントロピー合金触媒の研究
※ 所属機関名は、応募選定時点のもの。

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