効率的なタンパク質生産とCO2処理を目指したスピルリナの担持体培養実証

更新 2024年3月29日

Space Surface SpirulinaCultivation of Spirulina using the Immobilized Biofilm Photo-Bioreactor for Efficient Protein Production and Air Revitalization

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研究目的 使用可能な水・食料が制限される宇宙空間長期滞在ミッションなどにおいて、少ない淡水資源で効率的にタンパク質・食料が生産可能、かつ、空気再生をになえる微細藻類培養の応用に大きな期待がよせられています。本研究開発では、従来のシステムと比較して、より先進的な微細藻類培養システムの構築を目的とします。
宇宙利用/実験内容 液体培地を用いた微細藻類培養と比較して、固体表面培養の研究は歴史が浅く、同培養方法に関する宇宙実験報告はこれまでに見られません。本研究では、JAXA宇宙探査イノベーションハブとの共同研究において確立された培養装置を基礎として、同装置の耐久性向上、播種状態の保管・品質維持、担持体素材の改善、培養シークエンスの自動化に取り組みます。 同装置を用いて、打上前に担持体上に微細藻類を無菌的に播種、軌道上で装置の組立・設置、培養実証、テレメトリーで培養環境・状態の計測等の実施を目標とします。培養後に、サンプルの冷凍保存・回収も予定されています。
期待される利用/研究成果 将来の長期有人宇宙滞在に向けて、効率的なタンパク質生産技術の獲得に加え、化学的処理が不得意な低濃度CO2域の空気再生処理に寄与できます。また、廃棄物に含まれる窒素、リン等を栄養源に用いた物質循環も可能で、完全閉鎖型生命維持システムの実現に近づくとともに、担持体培養システムはスピルリナ以外の微細藻類に適用することで、バイオ燃料生産を行う微細藻類培養システムのプラットフォーム形成につながることも期待できます。
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青木 慎一 AOKI Shinichi

株式会社ちとせ研究所 Tech & Biz Development Div./ Senior BioEngineer

2013年に株式会社ネオ・モルガン研究所(現、ちとせ研究所)に入社。ウキクサを用いたバイオマス資源利活用システムの評価をはじめ、微細藻類の改良による高速培養と藻体濃縮の一体化方法の研究開発に携わるなど、微細藻類技術に精通。国内や海外(タイ・マレーシア)での研究を経て、一般社団法人日本微細藻類技術協会に研究開発部長として出向、現在に至る。

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