高品質タンパク質結晶生成実験 2022A期 搭載候補タンパク質の募集について【基盤研究利用コース公募要項】

更新 2022年7月18日
公開 2022年5月23日

「高品質タンパク質結晶生成実験(JAXA PCG)」プロジェクトは、JAXAがこれまでに獲得・蓄積してきた結晶生成技術を適用し、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟において高品質なタンパク質結晶を生成し、成果を社会に還元することを目的としています。本募集では2023年以降に搭載するタンパク質を募集します。

本公募の募集対象について

JAXA PCGでは、将来のシーズ探索・実験技術向上・国の戦略研究への貢献に資する研究テーマを幅広く募集します。重点領域として以下のテーマを設定することになりました。該当するテーマについては、宇宙実験での搭載リソースなどが優先的に配分される予定です。

  • 国の戦略的テーマ(AMED、JST CREST、さきがけ など)
  • 国の健康・医療戦略に記載される重点領域(がん、生活習慣病(循環器、糖尿病など)、精神・神経疾患、老年医学・認知症、難病、成育、感染症(薬剤耐性(AMR)を含む)など)

その他、JAXAが戦略的に実施を計画しているキナーゼタンパク質や感染症関連タンパク質など、プログラム的に重要と考えられるものについては、重点テーマとして採択することがあります。
また、これまで推進してきた膜タンパク質結晶化の技術開発についても、引き続き取り組んで参ります。これまで以上に多様なニーズにお応えできるよう準備を進めていますので、ご興味がおありの方はお気軽にご相談ください。

JAXA PCG 2022A期の概要

微小重力環境下でタンパク質結晶化を行うことにより、対流や沈降の影響を排除し、地上より高い確率で高品質な結晶を生成することが出来ます。JAXAでは2009年から2020年にかけて第1期・第2期・第3期実験シリーズとして計20回以上の実験を実施し、得られた結晶からターゲットタンパク質とリード化合物との結合状態を初めて解明するなど、着実な成果を挙げてまいりました(成果の一例はこちら でご紹介しています)。2021年からは新たに第4期実験シリーズを開始しています。JAXAがこれまでに蓄積してきた技術と経験を活かして、引き続き宇宙実験をサポートします。また、高品質タンパク質結晶生成に不可欠な技術要素の開発を継続的に実施し、日本のタンパク質研究の発展に貢献します。

JAXA PCG 2022A期の概要は以下の通りです。

JAXA PCG 2022A期
ロシア宇宙船利用の場合 アメリカ宇宙船利用の場合
打上げ 打上げ射場 カザフスタン共和国
バイコヌール宇宙基地
NASA
ケネディ宇宙センター(KSC)
打ち上げ宇宙船 ソユーズ宇宙船
またはプログレス補給船
ドラゴン補給船
結晶生成実験 結晶化場所 国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟
実験期間 3-12週間程度(打上げ・回収時期による)
結晶化手法 SGT法、SLC法、OT法 SGT法、OT法、透析法
結晶化温度 20℃ 4℃、20℃
回収 帰還地点 カザフスタン共和国中部 フロリダ州沖あるいはカリフォルニア州沖
帰還宇宙船 ソユーズ宇宙船 ドラゴン補給船
結晶化手法について
SGT法:
液液拡散法の一種で、ゲルチューブとガラスキャピラリ、PET製の袋状のシートを用いて実施します。詳細は実験の手引きをご覧ください。
SLC法:
SGT法をベースに、より内径の大きなキャピラリを使用できるように改変した手法です。中性子結晶構造解析など、大型の結晶を必要とされる場合に有効です。
OT法(浸透チューブ法):
蒸気拡散法の結晶化条件がそのまま適用可能です。タンパク質セルからの溶質の漏出がないため、希少な化合物などの使用量が従来に比べて大幅に低減できます。
透析法:
キャピラリからのタンパク質の漏出がないため、結晶化時のタンパク質濃度を下げたくない場合に有効です。

より詳しい情報はこちらをご覧ください。その他、脱酸素素材を利用した結晶化容器も開発しています。試料の機能上、嫌気条件が必須の試料だけでなく、長期的に好気環境に晒される事による試料劣化が心配な方にもご利用いただけますので、お気軽にお申し出ください。
実験スケジュール(予定)

利用輸送機およびスケジュールは変更になる可能性があります。
上記以降も実験予定はありますが、2025年以降については現在調整中です。

打上げ時期を起点とした標準的な全体スケジュール(月単位)

宇宙船の宇宙ステーション滞在期間により異なります。

応募方法について

2022A期からは課題申請システムを通して申請いただくことになりました。
申請を希望される方にはシステムのアカウントを発行しますので、以下からアカウント申請を行なってください。

※システムの利用方法はアカウント発行時にお知らせいたします。
※個人情報の取り扱いに関しては、本募集に関するご連絡及び課題審査にのみ利用します。

公募関連書類

公募関連書類は以下からダウンロードしてください。

タイトル サイズ ID
PCG基盤研究利用コース・搭載タンパク質募集要項(共通編)実験の手引き JAXA PCG 2022A期 [ pdf: 3.0 MB] 73263
PCG基盤研究利用コース・基盤研究利用制度申込書 JAXA PCG 2022A期 [ docx: 17.9 KB] 73264
PCG基盤研究利用コース・申請書 JAXA PCG 2022A期 [ xlsx: 15.4 KB] 73265
PCG基盤研究利用コース・申込データシート JAXA PCG 2022A期 [ xlsx: 31.2 KB] 73266

募集締切

2022年7月15日(金)

搭載候補決定の連絡

2022年8月中に各提案者に電子メールにてご連絡をいたします。

共同研究契約について

宇宙実験に際して提案者の所属機関とJAXAとの間で利用契約(共同研究契約)を締結させていただきます。本制度においては、約款による契約締結方式を採用しています。提案者は約款に定める契約条件に同意のうえ、応募に必要な書類を提出してください。JAXAからの実施承諾書の発送をもって契約が成立します。ただし、JAXAが研究分担者(CI)として実験に参加する場合などについての 利用契約(共同研究契約)は個別に調整させていただきます。

契約書(約款)は以下からダウンロードして下さい。

タイトル サイズ ID
JAXA高品質タンパク質結晶生成実験 共同研究契約約款 JAXA PCG 2022A期 [ pdf: 372.7 KB] 73267

なお、本公募に採択されると、共同研究契約期間中に最大3回の宇宙実験機会を利用いただけます。また、再提案が採択された場合、前の提案で残っていた宇宙実験機会はなくなり、新たに最大3回の宇宙実験機会となります(実験機会が残り1回の時点で再応募/再採択された場合は、実験機会は4回にはならず3回となります)。

その他

タンパク質の種類が当初提案時点から変更になる場合は、改めてご応募いただく必要があります。一方、提案タンパク質には変更がないものの、採択後に結晶化条件が変更になったなど申請情報に変更が生じた際は、改めてご応募いただく必要はありませんが、課題申請システムより情報の更新を行なってください。

次回のJAXA PCG実験を対象とした公募は2022年12月頃を予定しています。

なお、緊急で重要性の高い提案については、申請を随時受け付けます。公募期間外で申請を希望される方は下記までお問い合わせ下さい。

お問い合わせ先

募集全般に関してご不明な点は遠慮なくお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォーム


国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 きぼう利用センター
きぼう利用プロモーション室
お問い合わせ

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「きぼう」利用や宇宙実験に関する最新情報をお届けします。「きぼう」利用や宇宙実験に興味のある方はどなたでもご参加いただけます。

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