高温融体プロセスにおける材料開発の高度化を目指す実験がはじまりました!
~「きぼう」静電浮遊炉(ELF)を用いた宇宙実験~

公開 2026年9月17日

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟に搭載された静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)を用いて、微小重力環境における高温融体の表面張力のベンチマークデータ取得を目指したOASIS-ELF実験※1を開始しました。

本実験では、得られた知見を基に、表面張力を指標とした新たな酸素濃度推定手法の実証にも取り組みます。取得したデータは各種浮遊法による熱物性測定の較正に活用されるほか、表面張力を指標とした酸素濃度推定手法の確立により、ELFを用いた熱物性計測の精度および確度の向上につながることが期待されています。これらの成果は、高温融体プロセスの最適化や、新材料開発の高度化にもつながることが期待されます。

微小重力環境で高温融体の熱物性を高精度に測定

本実験では、「きぼう」船内に搭載された静電浮遊炉(ELF)を用いて、白金、ジルコニウムおよびニッケル融体の表面張力と温度、保持時間との関係を高精度に測定します。あわせて、各融体の密度および粘性係数についても測定を行います。
実験後には試料を地上に回収し、その酸素溶解量を詳細に分析します。この分析結果と軌道上で取得したデータを用いて、表面張力を指標とした酸素濃度推定手法の実証を行います。

図1 液滴振動の結果例:浮遊試料を振動させ、処理後に得られる減衰振動グラフ(上)とその解析結果(下)。いずれもELFの自動解析プログラムから得られた。
図2 浮遊した状態で溶融した試料
実験体制

本テーマには、千葉工業大学、東京都市大学、同志社大学、富山県立大学、学習院大学が共同で参加しています。学生を含む研究チームが力を合わせ、成果創出を目指します。
また、ELF宇宙実験は宇宙飛行士や地上運用チーム、装置運用スタッフの支援のもと実施されています。ELFチームは、「きぼう」利用とその先を見据えた成果創出を目指し、研究者の期待に応えられるよう実験準備や運用を進めます。

図3 OASIS-ELFチーム
※特に断りのない限り、画像クレジットは JAXA


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