公開 2026年8月28日
東京科学大学病院 がん先端治療部・緩和ケア科の佐藤 信吾准教授らの研究グループは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究により、2021年に国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で実施した第7回小動物飼育ミッション(MHU-7)の試料を用いて、骨の恒常性※1の調節における骨内感覚神経の役割を解析しました。
その結果、微小重力環境では、骨への重力負荷やメカニカルストレス※2が減少すると、骨内に投射する感覚神経が減少し、それに伴って骨量も低下することが明らかになりました。 これに加え、後肢不動化モデル※3などを用いた地上実験により、メカニカルストレスの減少が骨内感覚神経の減少を引き起こすこと、また、再び骨にメカニカルストレスを加えると、骨内に投射する感覚神経が増加し、骨量も回復・増加することがわかりました。さらに、メカニカルストレスに応じた骨恒常性の調節に骨内感覚神経が不可欠であることを実証しました。
本成果は、感覚神経を標的とした新たな骨粗鬆症の予防・治療法の開発や、リハビリテーション戦略への応用につながることが期待されます。
本研究成果は、2026年8月28日に英文学術雑誌「Bone Research」に掲載されました。(論文情報)。
- ※1 骨恒常性:骨の形成と吸収のバランスを保ち、骨量や骨の状態を維持する仕組み
- ※2 メカニカルストレス:歩行や運動、重力によって骨に加わる力学的刺激
- ※3 後肢不動化モデル:後肢を使えない状態にすることで、骨への負荷低下を再現する実験モデル
大学プレスリリース
- 骨へのメカニカルストレスや重力負荷が感覚神経を介して骨量を制御する仕組みを解明 (2026年8月28日)
- 骨へのメカニカルストレスや重力負荷が感覚神経を介して骨量を制御する仕組みを解明 (2026年8月28日)
きぼう利用テーマ
- 臓器連関の視点から解き明かす加齢性筋骨格系疾患の発症機構(Neurovascular & interorgan network/ MHU-7)
研究代表者 佐藤 信吾(東京科学大学 准教授)
論文情報
雑誌名
Bone Research
論文名
著者名
Tsujino Shohei, Ochi Hiroki, Okada Risa, Kamimura Daisuke, Utagawa Kurando, Shin Takaei, Yamada Hironori, Unno Aiko, Sunamura Satoko, Akazawa Chihiro, Muratani Masafumi, Shiba Dai, Yoshii Toshitaka, Sato Shingo
DOI
10.1038/s41413-026-00563-z
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 宇宙環境利用推進センター
きぼう利用プロモーション室
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