2件の「きぼう」利用ミッションが2023年のISS Research Awardsを受賞!

公開 2023年8月31日

"ISS Research Award"は、国際宇宙ステーション(ISS)で優れた成果をあげた研究やイノベーションに対する表彰です。毎年米国で開催されるISS Research and Development Conference(ISSRDC:ISS National Laboratory, NASAおよびAmerican Astronautical Societyが主催するISSに関する世界最大の会議)の中で受賞者の発表と表彰式が行われ、2023年はInnovation 賞として「KiboCUBE プログラム」、Compelling results賞として「人工月面重力下での小動物飼育ミッション」が表彰されました。(ほか、「きぼう」静電浮遊炉(ELF)を利用した米国実験「Round Robin」もCompelling results賞で表彰されました。)
JAXAがかかわるミッションとしては、2016年以降8年連続の受賞となり、日本のISS利用活動が継続して高いレベルにあることが示されています。

ISSRDC2023の3日目に行われた授賞式の様子は、YouTubeで視聴できます

授賞式の様子(2023年8月3日@米国シアトル)左から宮川弥生主任(JAXA代理授与)、高橋智教授(筑波大学)

受賞の詳細

1. KiboCUBE:国連宇宙部とJAXAとの連携協力による「きぼう」からの超小型衛星放出の利用機会提供
  •  受賞者  藤田 辰人(JAXAきぼう利用センター)、小坂 明(JAXA調査国際部)、KiboCUBE プログラム計画チーム
  •  受賞理由 
    • 国連宇宙部との連携により、宇宙開発新興国を対象とし、超小型衛星を「きぼう」から無償で放出できる機会を提供、これまでに5機の超小型衛星を放出した(うち4機はその国初の衛星)。
    • 放出機会の提供や、専門家によるオンデマンド講座・技術コンサルティングを通じて、STEM教育に貢献した。
JAXA 船外利用推進(超小型衛星放出ミッション)チーム。手前左が藤田辰人主任研究開発員。

KiboCUBEプログラムでは、2016年に最初の衛星が選定されてから、これまでに5か国(ケニア、グアテマラ、モーリシャス、モルドバ、インドネシア)の衛星を「きぼう」から放出してきました。これからも、宇宙開発新興国の人材育成に貢献するために、KiboCUBEプログラムによる継続的な放出機会の提供、KiboCUBEアカデミーのオンデマンド講座の充実化等をはかっていきたいと考えています。

(藤田辰人 JAXAきぼう利用センター 主任研究開発員)

2. 人工月面重力下での小動物飼育ミッション
  •  受賞者  高橋 智(筑波大学)、MHUミッションチーム
  •  受賞理由 
    • 人工月面重力下において小動物を長期飼育し、重力負荷によって制御されているマウス骨格筋の恒常性は、質的と量的にそれぞれ別の重力閾値によって制御されていることを世界で初めて明らかにした。
    • さらに、これまで速筋線維を直接誘導するような転写因子は同定されていなかったが、この因子を同定した。
筑波大学MHU研究チーム。後列中央が高橋智教授。
JAXA 健康長寿研究支援PF(小動物飼育ミッション)チームと高橋智教授(中央)

大変幸いなことに、JAXAや三菱重工業(株)のご支援により、2回目のISS Awardを受賞することができました。前回の2018年の受賞では、可変重力装置を用いたマウス宇宙飼育システムの確立とその解析が評価されたものでしたが、今回は、月探査を見据えた月重力影響の解析と、その解析の中から世界で初めて同定した骨格筋速筋線維誘導転写因子の発見が評価されました。この成果により、マウス宇宙ミッションが宇宙探査の基盤研究として重要であること、また、生物学の新たな解析方法として確立され、生命の基本システムの解明に有用であることを示すことができたと思います。今後も、マウス宇宙飼育システムを用いて画期的な成果が得られることを期待しています。

(高橋 智 筑波大学医学医療系 教授)


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