【MHU-10】宇宙での微小重力環境におけるがんの進行

更新 2026年2月17日

Cancer Progression/ MHU-10Cancer progression under the microgravity environment in space

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研究目的 加齢とともに発がん率は、指数関数的に増加します。長期の宇宙滞在では、宇宙飛行前には診断できない微小がんを抱えたまま生活する可能性も否めません。宇宙空間では、宇宙放射線被ばく量の増加に伴い、人体への影響が蓄積することに加え、がんの排除に関わる免疫能も加齢と同様に低下することが知られています。
私たちはこれまで、尾部懸垂マウスを用いた疑似微小重力下で、免疫系臓器の萎縮や腫瘍増殖・肺転移の亢進を確認してきました。そこで本研究では、腫瘍移植マウスを用いて、宇宙の微小重力環境で本当に「がんの進行」が早まるのかを検証します。軌道上での発光イメージング観察に加え、地上に回収した試料を用いた免疫系やがん進行の詳細な解析により、そのメカニズムを明らかにします。
宇宙利用/実験内容 発光するがん細胞を体内にもつマウスを微小重力区で飼育し、軌道上で発光イメージングによる腫瘍・肺転移の解析(発光するがん細胞の挙動観察)を行います。また、サンプルリターンによって回収された試料について、免疫機能や腫瘍の大きさ、肺転移の程度を解析するとともに、血液中の分泌型/腫瘍内遺伝子の網羅的発現解析を行います。
期待される利用/研究成果 がんの克服は人類にとって長年の悲願です。宇宙では、地上での加齢に伴う変化と同様の現象が見られることが知られており、もし宇宙環境でがんの進行が早まるとしたら、それを防ぐ方法を検討することも重要になります。本研究は、将来の安全・安心な長期宇宙滞在の一助になるとともに、地上でのがん克服に向けた新たな応用・展開も期待されます。
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研究代表者

  • 髙橋 昭久(群馬大学 重粒子線医学推進機構)

研究分担者

  • 吉田 由香里(群馬大学 重粒子線医学推進機構)
  • 武者 篤(群馬大学 重粒子線医学推進機構)
  • 宮脇 敦史(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
  • 阪上-沢野 朝子(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
  • 村谷 匡史(筑波大学 医学医療系ゲノム生物学)
  • 武島 嗣英(量子科学技術研究開発機構 QST病院 重粒子線治療研究部トランスレーショナル研究グループ)

髙橋 昭久 TAKAHASHI Akihisa

群馬大学・重粒子線医学推進機構 教授

東京学芸大学・修士課程修了。4年間の大塚製薬大津研究所・技術職を経て、1995年に奈良県立医科大生物学教室・助手。京都大学・論博(理学)を取得するとともに、スペースシャトル、ミール、ISSでの多数の宇宙生物実験に参画。2011年から群馬大学に異動し、テニュアトラックを経て、2015年から現職。「宇宙に生きる」ため、宇宙放射線だけでなく、地球と異なる重力環境との複合的な生物影響の研究を進めている。


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