きぼう有償利用料金(非定型サービス)改正のお知らせ

更新 2021年9月29日
公開 2021年9月17日

これまでのきぼう有償利用(非定型サービス)では、利用者からの申し込みを受けて、軌道上のリソース(打上げ、回収、クルータイム)を都度調整し、確保してきました。
この度、地球低軌道(LEO)が持続的な社会・経済活動の場となることを目指し、その技術実証・事業実証の場として「きぼう」を最大限に活用するため、有償利用(非定型サービス)のリソースとして、インクリメント(約6か月)毎にあらかじめ一定量を確保する方針としました。
更に、利用ニーズの多様化(デジタルコンテンツのライブ配信、軌道上保管、試料の冷凍・冷蔵保管)に対応した料金メニューを新たに設定(1項)すると共に、持続的な商業利用の推進および科学技術力の向上そして公共の利益につながる有償利用を支える割引制度を設ける(2項)こととしましたので、お知らせします。

定型サービス(高品質タンパク質結晶生成、静電浮遊炉利用、超小型衛星放出、中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を介した船外ポート利用)以外の利用

1. きぼう有償利用料金(非定型サービス)について

ISSの映像配信や長期軌道上保管、そして軌道上の冷凍・冷蔵保管といった多様な利用ニーズに応えるため、これまでのリソース料(打上げ、回収、クルータイム)に加えて、新たに軌道上保管、冷凍・冷蔵機能付加、通信を料金メニューに追加します。
新たなリソース料の料金表を表-1に、追加した3つのリソースについての説明を表-2に示します。

表-1:リソース料

利用リソースの種類
料金
打上げ
330万円/kg
回収
550万円/kg
クルータイム
550万円/hr
軌道上保管 New
25.6万円/年/L
冷凍・冷蔵機能付加 New
393万円/4ヶ月/L
通信 New
6,200円/Mbps/hr

表-2:追加した利用リソース料の補足説明(徴収するサービスの対象)

軌道上保管※2-1
  • 利用者からの保管要求が、以下(A)~(D)の何れか1つ以上に該当する場合は保管料の徴収対象となります(複数に該当する場合でも、重複した期間分の保管料は徴収しません)。
  • 保管料金は、4か月を一単位とします(注1)。4か月を超える保管要求がある場合は、要求期間に基づき同単位の保管料を徴収します。
    (注1)積算時のフライト計画や利用日程の不確定性、および年間約3回ある回収頻度を踏まえ、保管料の徴収単位は4か月単位とします。
  • (A)常時保管すること自体が利用の場合

    保管期間は、利用者からの保管要求に基づき、打上げ便がISSへドッキングする日から回収または廃棄便がISSから離脱するまでの全ドッキング期間とします。

  • (B)利用が複数日にわたる利用の場合

    保管期間は、利用者からの保管要求に基づき、船内実験室(キャビン、実験ラック内)にてセットアップ、クリーンアップ、利用タスクを含む設置要求期間が4日以上ある場合に、4日目を1日目として起算し(注2)、最終利用日までとします。

    (注2)セットアップ、クリーンアップ、利用タスクに関しては、通常、連続した3日間以内で完了するため、これらの期間が4日以上ある場合、保管期間は4日目を1日目として起算します。

  • (C)利用後に回収する場合

    保管期間は、最終利用日翌日から回収便がISSから離脱する日までとします。

  • (D)冷凍・冷蔵保管を伴う場合

    保管期間は、利用前、中、後にかかわらず、冷凍・冷蔵保管要求がある期間とします。

利用者の変更要求に基づき、利用時期を延期したことで軌道上保管が発生する場合、発生した日数を保管要求として追加します。
冷凍・冷蔵機能付加
  • 要求に基づき、軌道上または回収時に冷凍・冷蔵するためにMELFIなどの冷凍・冷蔵機能を使う場合。なお、打上げ時に冷凍・冷蔵の要求がある場合には、別途の要求とみなして徴収します。
通信※2-2
映像データなどのDownlinkのため、通信帯域が必要な場合(Uplinkは徴収しない)
  • ※2-1 以下は徴収対象ではありません。
    • 「利用が複数日に亘る利用」にて、セットアップ後の保管要求はなく、連続して3日以内に全利用作業(セットアップ、利用ミッション、片付け)を実施する計画の場合。
    • 打上げから利用1日目までの日数(冷凍・冷蔵保管を伴う場合を除く)。
    • 利用終了翌日から直近の廃棄までの日数(冷凍・冷蔵保管を除く)。
    • 利用者に起因しない理由(例:JAXA保有機材の不具合など)により、利用を延期または延長したことで利用場所での設置期間を延長した場合。
  • ※2-2 帯域は計画値(ベストエフォート)であり、実際の帯域を保証するものではありません。また、通信不可期間(LOS時)はISS側でアーカイブされ、通信期間(AOS時)にダウンロードされます。

2. きぼう利用を促進する新たな料金体系(割引制度)

割引対象事業

新規の民間による商業利用、アカデミアによる研究開発利用、公共性の高い社会活動としての学校法人またはNPOによる利用に対して、割引制度を導入します。

  • 1)LEO利用および国際宇宙探査に向けた民間による商業利用をさらに推進するため、トライアルユースとして割引制度を導入します。
  • 2)「きぼう」ならではの環境を活かした研究開発利用を推進し、ポストISSも考慮し、アカデミア(国内の大学や公共的研究機関等)が自己資金で主体的にLEOを活用する道筋を作ることを目的に、割引制度を導入します。
  • 3)LEOを社会・経済活動の場とするため、商業利用・アカデミア利用に留まらない公共性の高い利用も推進することを目的に、国内の大学・学校法人や非営利団体による利用の場合には割引制度を導入します。
割引率

打上げ重量の規模で区分し、全リソース料(表-1)の70%~90%を割引きます。

なお、利用リソース以外の経費(運用準備、実運用などにかかる工数などの直接経費、一般管理費など)については割引の対象とはなりません。

適用条件

割引の適用を受けるためには、以下の条件があります

  • 1)トライアルユースについては、以下すべてに該当する場合
    • 将来的に事業化を目指す利用であること。
    • 「きぼう」を利用する者が以下の条件を満たすこと。
      • 本制度の提案者、または当該提案者があらかじめ指定した提携事業者であって事業計画を自ら企画・立案・実施する者(以下、「提携事業者」)が、「きぼう」非定型サービスを初めて利用する場合。

        ただし、「きぼう」利用が二度以上になる提案者または提携事業者(以下、「リピート提案者」)であっても、以下の両方を満たす場合に限り、トライアルユースを適用することができます。
        ① リピート提案者の提案が、それ以前に提案し承認された事業構想の内容とは異なること。
        ② リピート提案者のトライアルユースの利用枠は1インクリメント(約6か月)あたり1件を上限とする。

    • トライアルユース後の事業につながる事業構想が提出されること。
  • 2)アカデミアによる研究開発目的の利用の場合
    • アカデミア(国内の大学や公共的研究機関など)であること。
  • 3)公共性の高い社会的活動に貢献する利用の場合
    • 国内の大学など教育機関(学校法人)や非営利団体(NPO)であること。

3.今後の取組み(参考)

多様な利用ニーズを実現に導くサポート体制の仕組み導入に向けて検討中です。新たな仕組みを構築次第、利用者の皆様に情報配信します。

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