太陽系の惑星形成過程の解明を目指す実験が進行中!
~きぼうの静電浮遊炉(ELF)を用いた宇宙実験の様子をご紹介します~

公開 2025年12月10日

国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に搭載された静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)を用い、様々な宇宙実験が行われています。現在は、太陽系形成初期に起こった高温現象の解明に挑戦するSpace Egg実験※1 が進行中です。
Space Egg実験の試料は、地上試験での検討結果をもとに準備されています。しかし、初めて宇宙で浮遊溶融を試みるため、予期せぬ挙動を示すものもあります。そのため、研究者と実験運用チームが協力し、試行錯誤を重ねながら実験を進めています。宇宙での実験完了後は、試料を地上に回収し、実験時の加熱・冷却条件と照らし合わせながら、地上での分析や解析を行う予定です。
これらのELFでの宇宙実験は、宇宙飛行士や地上運用チーム、装置スタッフのサポートにより支えられています。ELFチームは、きぼう利用による多くの成果創出を目指し、これからも研究者の期待に応えるべく、準備と実験を進めていきます。

図1 光学顕微鏡で観察したコンドリュール(撮影:東北大学、試料提供:国立極地研究所)

コンドリュールは、隕石中に含まれる数百µmから数mmサイズの球状物質で、惑星の材料物質のひとつと考えられています(図1)。この球状物質は、宇宙空間で溶融・冷却により結晶化して形成されたと考えられています。しかし、結晶組織や化学組成を完全に再現した実験例はなく、その形成プロセスは未解明のままでした。
本実験では、事前の地上実験とシミュレーションにより最適な温度条件を設定し※2、より天然の形成環境に近い宇宙で加熱・冷却する再現実験を行っています。
この実験から得られる加熱温度、冷却速度、結晶化時の振動状態、微小重力下での結晶成長の振る舞いは、初期太陽系で起きたコンドリュール形成現象の制約や惑星形成環境の推定に寄与することが期待されます。

図2 ELF内で浮遊溶融した試料
図3 オペレーションルームでの地上運用の様子
図4 Space Eggチーム
※特に断りのない限り、画像クレジットは JAXA


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