「きぼう」日本実験棟での静電浮遊炉(ELF)を利用した材料研究テーマ募集【民間利用促進コース(有償利用制度)】を利用したELFの実験を1月末に開始しました。
本実験は、海外の研究者(トルコ)の実験をJAXAの制度を使って実現させたものです。これまでは国内の企業が自社の目的でこの制度を利用していましたが、海外の研究者の利用は初めてとなります。
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本実験では、ミドルおよびハイエントロピー合金(複数の金属を比較的等濃度に固溶させた合金)の熱物性(密度、粘性、表面張力)を測定します。これらの合金は、高い強度、靭性、および耐腐食性を有し、宇宙航空やエネルギー分野での材料への応用が期待されます。実験データからミドルおよびハイエントロピー合金の形成や特性に関する理解を向上させることを目的としています。
また、本実験はアクシオム・スペース社民間宇宙飛行士ミッション(Ax-3)の一部でもあります。合金試料は1月19日にAx-3により打ち上げられ、Ax-3に搭乗していたAlper Gezeravcı 宇宙飛行士(初のトルコ宇宙飛行士)から古川宇宙飛行士に「きぼう」で合金試料が無事引き渡しされました。
- 研究代表者 TÜBİTAK、Ömür Can ODABAŞ博士
- 実 験 名 Uzay İçin Yeni Nesil Alaşımlar (UYNA)(原文トルコ語/ 和訳「宇宙用新世代合金」)
- 実験目的 ミドルおよびハイエントロピー合金の熱物性(密度、粘性、表面張力)を測定する。
"This commercial opportunity with JAXA enabled both Axiom Space and TÜBİTAK UZAY to utilize ELF for a Turkish experiment during the Ax-3 mission. Our teams enjoyed the opportunity to work closely with JAXA on the preparation of the experiment and greatly appreciate the efforts to ensure completion of a high quality and successful experiment."
- Anthony Carbone, Türkiye Program Manager (Axiom Space)
JAXA様の有償利用制度を通じ、Axiom SpaceとTÜBİTAK UZAYは、Ax-3ミッション中にELFを使って、トルコの実験を実施することができました。この実験を実現するに向けて、JAXA様と緊密に連携できたことは嬉しいですし、高品質な実験を確実に成功させよう、とする皆様の努力に大変感謝しております。
Anthony Carbone氏(Axiom Space)