公開 2023年9月22日
国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟利用テーマ「宇宙空間における骨代謝制御:キンギョの培養ウロコを骨のモデルとした解析(Fish Scales)」(研究代表者:金沢大学環日本海域環境研究センター 鈴木信雄 教授)の宇宙実験結果を含めた論文が公益社団法人日本動物学会の学会誌Zoological Scienceに掲載されました。また同学会により本論文は2023年6月17日に論文賞(Zoological Science Award, Fujii Award)を受賞し、2023年9月8日に日本動物学会(山形大会)の授賞式で表彰されました。
本論文では、キンギョのウロコを骨モデルとして用いて、まず地上で遠心機による過重力負荷と3次元クリノスタットを用いた擬似微小重力による影響を同時に解析しました。その結果、過重力では骨形成に、一方擬似微小重力では骨吸収を促進することを、遺伝子発現及び形態学的解析で明らかにしました。さらに宇宙でもウロコの骨吸収が引き起こさせることを遺伝子発現解析により示し、宇宙実験で得られたRNAseq解析のデータを用いて、骨吸収がWntシグナル系により制御されていることを証明することができました。
学術論文
雑誌名
Zoological Science 39 (4): 388-396
論文名
著者名
Yamamoto Tatsuki, Ikegame Mika, Furusawa Yukihiro, Tabuchi Yoshiaki, Hatano Kaito, Watanabe Kazuki, Kawago Umi, Hirayama Jun, Yano Sachiko, Sekiguchi Toshio, Kitamura Kei-ichiro, Endo Masato, Nagami Arata, Matsubara Hajime, Maruyama Yusuke, Hattori Atsuhiko, Suzuki Nobuo
DOI
10.2108/zs210107
- 2023年度 Zoological Science Award(論文賞)の決定 (2023年6月17日/日本動物学会)