開催結果
「国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウム2023」を2023年2月9日に開催しました。
今回のシンポジウムは、本番をさらに楽しんでいただくために事前特番の配信を行い、本番当日はRED° TOKYO TOWERスカイスタジアムより、3年ぶりの対面会場とリアルタイム配信のハイブリットで開催しました。現在の地球低軌道利用について、また、いずれ訪れるポストISSに向けて熱意と勢いのある議論を登壇者に実施いただき、地球低軌道利用の更なる可能性や発展、そしてポストISSに向けた新たなるステージへの移行を期待させるようなシンポジウムになったのではないかと思います。総じてISS運用延長やポストISSにおける球低軌道の宇宙環境利用を継続・発展について前向きな意見や応援をいただけたと感じています。
事前特番やシンポジウムはJAXA channelでアーカイブ配信中ですので、是非ご覧ください。
日程
開催日時(配信日) | メインプログラム | |
---|---|---|
特番#A | 1月29日(日) | 若者たちの宇宙への挑戦 |
特番#B | 1月29日(日) | 宇宙を切り拓く人たち |
本番#1 | 2月9日(木) | オープニングおよび第1部 民間セッション |
本番#2 | 2月9日(木) | 第2部 日米協力セッション |
本番#3 | 2月9日(木) | 第3部 サイエンスセッション |
場所
ハイブリッド開催
対面会場:RED°TOKYO TOWER(レッド トウキョウタワー)
リアルタイム配信:You tube
- 開催概要
- 「きぼう」利用シンポジウム2023アーカイブス再生リスト
- ISS/KIBO Utilization Symposium 2023 archives streaming (in English)
事前特番 KIBOドキュメンタリー 〜私たちの宇宙〜
Kibo Robot Programming Challenge ~若者たちの宇宙への挑戦~
Aパートでは、若者たちの宇宙への挑戦として、アジア各国から集まった学生がISS上のロボットをプログラミングして技術を競う「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge:Kibo-RPC)の運営側・参加者側のディスカッションをお届けしました。東京大学大学院中須賀教授、2022年に行われた第3回大会の日本の優勝チーム「Space Lark」のメンバーをゲストに迎え、運営側であるJAXAから本大会の出生ヒストリーや裏話を紹介し、ゲスト側から臨場感あふれる当時の挑戦秘話や挑戦したからこそ得られた経験などが紹介されました。
宇宙を切り拓く人たち
Bパートでは、華やかな印象がありながらも見えづらい宇宙利用の舞台裏で働く「JAXA」側の視点として、「きぼう」のインクリメントマネージャ・フライトディレクタ・宇宙飛行士が「きぼう」利用についてインタビュー形式で紹介しました。どのような仕事によってISS・「きぼう」が成り立っているのか、宇宙を利用するとはどういうことなのか、最新のISSを用いた取り組みなどについても紹介しており、宇宙利用をより身近に感じていただける内容になっています。大喜利のような楽しい掛け合いもあり、JAXAのアットホームな雰囲気やチームワークを感じていただけましたら幸いです。
なお事前特番ではスペシャルゲストとして、漫画「宇宙兄弟」作者の小山宙哉さんからのコメントや、伊藤せりかさんのナレーションもあり、ぜひご覧いただきたい内容です。
「きぼう」利用シンポジウム2023
ポストISSに向けて、2030年以降の目指すべき姿や、それに向けた2030年までの取り組みなどについて、外部有識者を登壇者に招き、「第1部 民間利用」「第2部 日米協力」「第3部 サイエンス」の3部構成でシンポジウムを開催しました。
オープニングおよび民間セッション
オープニングではJAXA有人宇宙技術部門長からの挨拶と、JAXAの現在と将来に向けた取り組みについて紹介しました。続く第1部では、ISS運用延長など政府や省庁の委員会で議論されている最新情報、2030年以降の地球低軌道利用におけるJAXAの立ち位置、ポストISSに向けたビジネス構想について共有および議論を行いました。ポストISSに向けたJAXAの取り組みである「持続可能な地球低軌道における宇宙環境利用の実現に向けたシナリオ検討調査」に参画する5社をパネラーに迎え、宇宙ビジネスとして成立させていくための課題意識などを共有し、「民間企業として、JAXAや「きぼう」に求めるもの」などについてコメントをいただきました。
日米協力セッション
第2部では、日米Joint workshopとして、ISSを取り巻く地球低軌道活動に関する国際動向についての共有や今後の日米間協力についてのディスカッションを行い、今後の日米協力のJAXA/NASAの意思が示されました。また、NASAの描く地球低軌道活用のビジョンとして、米国で進行中の商業地球低軌道プログラム(CLD:Commercial Low earth orbit Destinations)に取り組む米国民間企業4社による各社の商業ステーション開発状況報告とNASA担当者からのビデオメッセージや、ISSに滞在中だった若田宇宙飛行士からのビデオメッセージを紹介しています。
サイエンスセッション
第3部では、モデレーターにJAXA金井宇宙飛行士を、パネラーにサイエンスおよび技術開発の面からISS・「きぼう」利用を牽引する4名を迎え、パネルディスカッションを行いました。ISS・「きぼう」での科学利用の最新成果やビッグデータサイエンスの活用について、熱く興味深い議論が行われ、サイエンスの最先端として「きぼう」がどのように役立っているのか、地球低軌道利用におけるトップサイエンスや低軌道利用ならではの優位性を感じる内容となりました。