人が宇宙に居続ける未来 ― JAXA部門長×学生が語るポストISSの展望―

公開 2026年1月30日

有人宇宙技術部門長 松浦 真弓

国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟は、2008年の打上げ以来、日本の有人宇宙活動の中核として運用されてきました。「きぼう」は2030年を目途に運用終了が予定されており、その先の地球低軌道利用や有人宇宙活動のあり方が検討されています。

この節目にあたり、まずJAXA有人宇宙技術部門部門長松浦にインタビューを行い、これまでの歩みと現状認識、そしてポストISS期に向けた展望について伺いました。続いて、松浦部門長と学生たちによる対話の場を設け、未来を柔らかく自由な発想で捉える学生の視点から、地球低軌道利用の将来像や有人宇宙活動の可能性について、意見を交わしました。

これらのインタビューと対談の様子は、「KIBO X-Talk vol.2」として、JAXAチャンネルでお届けします。

KIBO X-Talk Vol.02 スペースネイティブと語る、宇宙の未来

JAXAチャンネル動画

部門長インタビュー

宇宙との出会いと「きぼう」まで

前半では、松浦部門長の宇宙との出会いから「きぼう」運用に携わるまでの経験を振り返りました。
小学生時代に理科や宇宙番組をきっかけに宇宙に関心を抱き、「宇宙と地上をつなぐ」仕事を志して電波工学を専門としたこと、JAXA入社後は衛星運用を経て、1990年代後半から有人宇宙活動に携わったことなどが語られました。
NASA研修や「きぼう」運用チームの立ち上げを通じて、日米の運用文化の違いを乗り越えながら、日本に有人宇宙活動の基盤を築いてきた経験は、「きぼう」が技術だけでなく運用や文化を育ててきたプロジェクトであることを示しています。

「きぼう」の先にある地球低軌道利用

「きぼう」の運用終了について、松浦部門長は次の時代へ進むための区切りだとし、「人が宇宙に居続けること」そのものに価値があると語りました。
人がいるからこそ生まれる判断や文化があり、有人活動で培われた経験は、次世代につないでいくべき重要な財産であると述べました。

学生との対話

次世代が描く宇宙

後半では、学生との対話が行われ、「宇宙に人がいることが当たり前になった社会で、憧れをどう保つか」という問いが投げかけられました。
松浦部門長は「日常化と憧れは両立できる」と応じ、宇宙は今後も特別な存在であり続けるべきだと語りました。
学生からは、宇宙と地上を行き来する未来、宇宙ならではの制度や文化、教育や芸術への活用など、多様な視点が示され、対話は技術を超えた広がりを見せました。

低軌道未来年表活動

JAXA有人宇宙技術部門では、2100年頃までを見据えた長期的な未来洞察を行い、その結果を踏まえて技術ロードマップの策定を進めています。
本取り組みは産学官が連携し、地球低軌道(LEO)利用の将来価値をバックキャストの手法で分析し、2030年代・2040年代などの適切な節目年に設定されるマイルストーンをロードマップとして整理していく予定です。
また、その活動の一環として、社内有志の若手メンバーによる「低軌道未来年表活動」を通じて、将来の低軌道利用や宇宙活動の役割を考える対話・検討を深めています。今回の対談に先立ち、JAXA職員と学生が対話しながら低軌道利用の将来像について検討を進めました。

おわりに

今回の対談は、「きぼう」が築いてきた有人宇宙活動の価値を振り返るとともに、その先の未来を次世代と共有する機会となりました。
JAXAでは今後も、さまざまな方々との対話や情報発信を通じて、低軌道利用と有人宇宙活動の未来について考えていきます。


国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 宇宙環境利用推進センター
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