「きぼう」船外環境で微生物が3年間生存していた!

公開 2020年8月27日

簡易曝露実験装置(ExHAM)を利用して実施された「Tanpopo(たんぽぽ)」計画の微生物長期曝露ミッションの研究成果が公表されました。

Tanpopo計画は、国際宇宙ステーション(ISS)が周回する上空約400㎞の地球低軌道上を漂う宇宙塵などの採集や、微生物や有機物を長期に曝露させて、その生存状況や変性を調べる複数のミッションから構成されています。2015年から、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに取り付けられた簡易曝露実験装置(ExHAM)を使って、長期間の実験を行ってきました。

今回、Tanpopo計画の研究代表者である東京薬科大学 山岸明彦名誉教授らの研究チームにより、微生物長期曝露した研究成果をまとめた学術論文が公表されました。紫外線が降りそそぐISS軌道で3年間曝露した結果、微生物は生存しており、その解析結果から紫外線が当たる環境では数年、当たらない環境では数十年、微生物が生存可能であることを初めて検証しました。

本研究成果は、「Frontiers of Microbiology」に掲載されました。(掲載論文のタイトル:"DNA Damage and Survival Time Course of Deinococcal Cell Pellets During 3 Years of Exposure to Outer Space ")

Tanpopo(たんぽぽ)サンプルと「きぼう」での取り付け状態
Tanpopo研究チーム(中央:PI. 山岸明彦名誉教授)(2018年度ExHAM 報告会撮影)

論文情報

雑誌名
Frontiers in Microbiology
論文名
著者名
Yuko Kawaguchi, Mio Shibuya, Iori Kinoshita, Jun Yatabe, Issay Narumi, Hiromi Shibata, Risako Hayashi, Daisuke Fujiwara, Yuka Murano, Hirofumi Hashimoto, Eiichi Imai, Satoshi Kodaira, Yukio Uchihori, Kazumichi Nakagawa, Hajime Mita, Shin-ichi Yokobori, Akihiko Yamagishi
掲載日:
2020年8月26日
DOI
10.3389/fmicb.2020.02050

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