開催結果
「国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウム2022」を1月19 日(水)から約1カ月にわたり、4回オンライン開催しました。この4回を通して、1)科学・学術利用、2)民間・商業利用、および 3)国際協力の観点から、ISS・「きぼう」利用の未来について、今回はパネルディスカッションを中心とした構成でお送りしました。各回、科学成果創出や活発なビジネス活動とのつながりに期待を頂きつつ、総じてISS運用延長に向け前向きな意見・応援を頂いたと感じています。
1日目から4日目までのシンポジウムのアーカイブス動画へのリンクを開催結果概要に掲載しています。是非ご覧ください。
日程
開催日時 | メインプログラム | |
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#1 | 1月19日(水) 19時から | 「きぼう」利用全般 |
#2 | 1月26日(水) 19時から | 民間利用・商業利用全般 |
#3 | 2月2日(水) 20時から | JAXA/NASA共同ワークショップ |
#4 | 2月16日(水) 19時から | 科学利用・学術利用全般 |
場所
オンライン開催
開催結果概要
今までの「きぼう」でのチャレンジとこれから
1日目は、テレビ東京ワールドビジネスサテライトのキャスターの大江麻理子氏を司会に、多様化する「きぼう」利用の未来について議論いただきました。パネラーの方からは、大学や発展途上国の人材育成への貢献、人類史上最大の軌道上建築物であるISSが国際協力のもと建設された意義、アルテミス計画につながる法や枠組みの構築、これまで宇宙に携わってこなかった企業・個人に広く利用を発信・サポートした先に大きなビジネスが待っているなど、「きぼう」がもたらす意義・価値についてコメントを頂きました。
最先端!地球低軌道ビジネスの挑戦
2日目は、"ビジネス"にフォーカスを当てました。パネラーからは、ビジネス利用において、参加企業が多様化しており市場は拡がってきている実感がある、宇宙分野への投資はメジャーになっており、宇宙利用が当たり前になった世界で役に立つサービスに投資している、「きぼう」の利用料免除などにより挑戦しやすい環境を作るべき、どんなに小さなアイディアに対して受け止める姿勢、朝に申請したら夕方に許可が出るスピード感への期待などのコメントを頂きました。
JAXA/NASA JOINT WORKSHOP ON INTERNATIONAL SPACE STATION
3日目は、日米両国政府による「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3※)」の下、JAXAとNASA共同でワークショップを開催しました。NASAおよびISS National Laboratoryから米国におけLEO利用の商業化の状況について話題提供があり、ISSの運用が終了した後も地球低軌道の政府および民間による研究利用の継続の重要性、民間主体による低軌道利用サービスへの転換、JAXA/NASAのつながりを生かしつつ、日本企業との協力への期待や、今後10年の目標や目的の共有の必要性の意見がありました。
※JP-US-OP3は、2024年までのISS運用延長に関する協力枠組みとして、2015年12月に日米両国政府により締結されました。
トップサイエンス×「きぼう」の挑戦に迫る
4日目は、科学利用にフォーカスを当てました。パネラーの先生方から、インパクトのある科学的成果を創出するには、長期的かつ継続的に実験が続けられる環境が重要でありISSは適している、米国同様、国が支える仕組みが重要、JAXAは宇宙科学を中心とした研究をする部署はあるが、生命科学や物質科学についての知見も蓄積すべく、専門的なコミュニティーとしっかりディスカッションを行い、科学テーマを掘り起こしていく必要があるなどの意見を頂きました。