Why

なぜ宇宙実験?

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タンパク質は私たちの生命活動を支える重要な分子です。タンパク質の形(構造)と働き(機能)は密接につながっており、形が詳しく分かれば、機能の推測ができますし、その働きを促進したり阻害したりする化合物を設計することも可能になります。医薬品の多くは、こうしたタンパク質の機能を調整するものですので、タンパク質の構造の情報は生命現象を解明することに役立つだけでなく、医薬品の開発に役立つのです。

タンパク質の構造を知るためには、主としてX線結晶構造解析という方法が用いられています。品質の良い結晶があれば、タンパク質の構造の細かいところまではっきりと見えますが、結晶の内部に不純物が入っていたり、タンパク質の並びが乱れていたりすると、ぼんやりとしか形が分からないことがあります。

宇宙でできたきれいな結晶
  • 宇宙でできたきれいな結晶
  • 宇宙でできたきれいな結晶

国際宇宙ステーションの微小重力環境では、密度差などによる流れ(対流)が起こりませんので、結晶が流れのない静かな環境で安定して成長することができます。流れに乗って不純物が結晶に取り込まれることも少ないので、結晶中で分子が規則正しく並んだ、品質の良い結晶ができる傾向があるのです。

宇宙でできた結晶を持ち帰って調べてみると、驚くほど品質が良くなっていることがあります。こうした結晶から得られた、タンパク質の詳しい形の情報をもとに、研究や医薬品開発を一層進めることが可能なのです。

宇宙でできたきれいな結晶
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  • 宇宙でできたきれいな結晶

写真は宇宙でできたきれいな結晶
※偏光顕微鏡を使って観察したものです。実際にこのような色がついているわけではありません。

タンパク質について、もっと詳しく知りたい方はこちら。

タンパク質について

微小重力が結晶成長に与える影響について、もっと詳しく知りたい方はこちら。

微小重力による品質向上の仕組み

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