Technical Information
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このページでは、ゲルチューブ法の充填についてご案内しています。
充填手順は実演動画を交えてわかりやすく説明していますので、ぜひご覧ください。
ゲルチューブ法に必要な物品がセットになったものはこちらから購入可能です。
コンフォーカルサイエンス以下は、個別に準備する場合の製品例です。
EMマイスターリングキャップス 5μL(内径0.3mm、2-454-01)または10μL(内径0.5mm、2-454-02)。
必要に応じて、キャピラリカッタでカットしておく
同等品可
47mmカット済みキャピラリはコンフォーカルサイエンスから購入可
ゲルチューブ(MB2000-CRT202、コンフォーカルサイエンス社製)
商品ページ目盛付試験管(ネジ口)10mL 丸底(6-768-03、マルエム社製)
沈殿剤とキャピラリを保管できれば他のもので代替可
ヘマトシール キャピラリーチューブシーラント(02-678、fisher scientific社製)
商品ページシラスコン医療用チューブ(内径1.0mm、外径2.0mm)(100-1N)
商品ページAgarose S(312-01193、ニッポン・ジーン社製)
電気泳動用グレード以上のものであれば代替可
シラスコンチューブと接続するので、ロック基なしのほうが使いやすい
Step01.
電子レンジなどを使い完全に溶解する。溶媒は純水。
Step02.
30cmほどにカットしたものを複数本用意しておくと扱いやすい。
Step03.
Step04.
Step05.
Step06.
必要に応じてアザイドを添加するなど防腐処置を施す。
注)自作したゲルチューブでは市販品と同等の性能を発揮できない可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
数日前~直前
標準的なカット長は15mm。キャピラリと接続後の標準的な実効長(*)が9mmのため、後の作業が容易となるように、適宜長さを調整する。
(*)キャピラリとゲルチューブを接続した際の、ゲルチューブ内のキャピラリ端から外液へのアクセス面までの長さ(写真参照)
標準的な長さは47mm
完全置換するには数日程度かかるが、時間がない場合には数時間~直前に浸漬を始めても、ある程度の効果は見込める。
直前
標準的には、タンパク質溶液と結晶化溶液を1:1混合する(蒸気拡散法でのセットアップ直後の環境に相当)。シーディングを実施する場合は、シードの溶解を避けるため1:1混合を推奨。タンパク質溶液のみをキャピラリ充填溶液にする場合よりも短時間で結晶が得られる。
Step01.
標準的な液量は1mL程度(物品説明で紹介しているガラス管使用の場合)。適宜変更可。
Step02.
内径0.5 mmまでなら、毛細管現象を利用し充填可能。
必要に応じて、キャピラリにシリコンチューブ等を接続し、吸引によって充填する。
【消費試料量】
試料長40mmの場合、内径0.3mmで3μL、0.5mmで8μL程度
Step03.
ピンセット上端などに少量のコンパウンドをつけておくと作業がしやすい。使用直前にこねて柔らかくしておくとなお良い。
最初の数回はコンパウンドを押し付けるようにすると上手くいく。3mm程度充填すれば十分に機能する。
【よくあるトラブル:ケース1】
コンパウンドの充填時、試料がキャピラリ上端側に移動し、下端に気相部分ができてしまうことがある。気相を残したままだと結晶化が進行しない。キャピラリ下端にできた気相が数mmの場合は、コンパウンドの充填を繰り返すことで、気相を追い出すことが可能。数mm以上になった場合は、充填をし直したほうが良い。
試料を回収したい場合は、キャピラリにシリコンチューブとピペットチップを接続すれば押し出すことが可能。
Step04.
ゲルチューブとキャピラリを山型に合わせるようにセットし、そこから一気に押し込むようにする。押し込む際、少し回転させながらねじ込むようにすると成功しやすい。差し込み長は4mm程度あれば十分。
【よくあるトラブル:ケース2】
ゲルチューブとキャピラリの接続部に気相ができてしまうと結晶化が進行しない。修復することは難しいため、やり直したほうが良い。
試料を回収する方法は「よくあるトラブル:ケース1」を参照
Step05.
キャピラリと接続後の標準的な実効長(*)は9mm。
実効長による結晶化結果への影響は多少認められるが、通常は意識する必要はないため、必ずしもカットする必要はない。
(*)キャピラリとゲルチューブを接続した際の、ゲルチューブ内のキャピラリ端から外液へのアクセス面までの長さ
Step06.
【よくあるトラブル:ケース3】
ゲルチューブの下端と外液の間に気相ができてしまうと結晶化が進行しない。気相が確認できる場合はキャピラリを取りだし、ゲルチューブ下端の気相部分を追い出すようにピペットマン等で液を注入する。
Step07.
ガラス管を横にした状態で長時間放置すると、キャピラリ内に外液が急速に流入してしまい、溶質の濃度勾配が形成されない(カウンターディフュージョン法としての効果が得られない)ため注意すること。
結晶観察など横にする時間が短い場合には問題にならない。
Step08.
封入容器がガラス管の場合には、ガラス管越しでも十分に観察可能。短時間であれば乾燥等の問題も起こらないため、見えづらい場合は容器からキャピラリを取出して直接観察しても良い。
上記方法の他、キャピラリとゲルチューブの間に透析膜を挟み込む「透析法」も実施可能です。興味のある方はお気軽にご相談ください。