ISS
JAXA

開会挨拶:奥村 直樹(JAXA理事長)
皆さん、こんばんは。ご紹介いただきました、JAXA理事長の奥村と申します。本日は、大変お忙しい中、これだけ大勢の皆さんにお集まりいただき、主催者を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。また、この油井ミッション、見事に任務を完遂いたしましたけれども、その間多くの国民の皆さんに応援をしていただきました。また、さまざまな機関から私どもは応援を受けております。こういった方々に対して、この場を借りて、あらためて私から御礼を申し上げたいと思います。
 油井さんは去年の夏、宇宙船に旅立ち、その約1カ月あとに、「こうのとり」5号が荷物を宇宙船に運びました。まだ記憶に新しいと思いますけれども、「こうのとり」をキャッチするとき、油井飛行士、そして、地上ではヒューストンの若田飛行士、つくばではフライトディレクターの松浦、こういった日本人チームの力を合わせて、見事にキャッチしたということで、日本のプレゼンスを示すことができたわけです。
 また、昨年の暮れには、日本の政府とアメリカの政府が、このISSの将来の運用に関しまして、新たな枠組みについて合意をいたしました。その結果、日本はISSの運用に2024年まで引き続き参加することが決定されたわけです。JAXAとしては、こういった運用の延長の趣旨に見合うような成果を上げていく所存でございます。どうぞ、引き続き皆さま方のご理解とご支援を賜りますようお願いして、オープニングのあいさつとさせていただきます。本日は本当にありがとうございます。


来賓挨拶:豊田 真由子(文部科学大臣政務官)
皆さま、こんばんは。油井宇宙飛行士をお待ちのところ、大変申し訳ございません。少しだけお時間をいただけましたらと思います。私は、ただいまご紹介を賜りました、JAXAを所管しております、文部科学省で大臣政務官を務めております、衆議院議員の豊田真由子と申します。本日はこのように大勢のお客さまがお集まりで、油井宇宙飛行士のミッション報告会、盛大に開催されましたことをお祝いを申し上げます。また、日頃より、油井宇宙飛行士、JAXAやわが国の宇宙開発に皆さまが大変応援をくださいますことに、心より御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 皆さまもよくご承知のことと思いますが、油井宇宙飛行士は、ISS・国際宇宙ステーションに約5カ月間にわたり滞在され、補給船「こうのとり」のドッキングに成功をされました。これは直前にアメリカとロシアのロケット打ち上げが失敗をし、物資が不足をしているという中で、ISSに緊急物資を運んだという、まさにISSの危機を救った非常に重要なミッションでありました。
 また、ライフサイエンスや材料工学といった、非常に貴重な実験を完遂され、そして皆さまもご覧になったのではないでしょうか。466回もTwitterを更新され、地球にいらっしゃる皆さまにこの宇宙の感動を伝えたいという、まさにこの5カ月間は油井宇宙飛行士の勇気と優しさに満ちた5カ月だったというふうに思います。
 私は油井宇宙飛行士にお伺いをいたしました。「油井さんの人生、宇宙に行かれる前も、行かれてからも、多くの困難に直面されたと思います。どうやって乗り越えられたのでしょうか」と伺いましたところ、油井さんはこうおっしゃいました。「不安に思うことも怖いことも思うこともたくさんあります。それを乗り越えるためには、一生懸命訓練をして、もう自分はこれ以上できない、そこまでやれば、努力は裏切らないという自信がつく。そうやって任務を遂行してきました」とおっしゃいました。私は、この言葉は、私たち一人ひとりの人生に大きな示唆を与えてくださるものだと思いました。
 そして、皆さま、油井さんのお名前、美しい亀と書かれます。これは、お父さまが、「亀でいい、一歩一歩ゆっくりでいいから着実に目標に向かって歩み、世のため、人の役に立つ人間になれ」という思いが込められているそうです。まさにそれを体現された油井さんであり、そして、私は思います。油井さんがこうしたミッションを遂行できたのは、ここに集まりの皆さま方、お一人お一人多くの方が地球上から油井さんを支え、守っていたんだというふうに、いま実感をしております。
 国といたしましても、この宇宙開発、責任を持って、中長期的なビジョンに立ってしっかりと進めてまいりたいと思います。皆さまの日々の日常の中にも、気象衛星の「ひまわり」や、あるいは災害状況を把握する「だいち」。また、先月大きく報道されました、「ひとみ」というX線の天文衛星、これは日本が打ち上げに成功いたしまして、宇宙の巨大ブラックホールなど、宇宙の成り立ちの謎の解明に迫ってまいります。このように、わが国が行っております宇宙開発は、宇宙という壮大な謎に迫り、そして、皆さまに夢と希望をお届けし、この人類の未来を切り開いていく大きなプロジェクトであります。そして、そのためには皆さま方のご支援が欠かせません。これからも、油井宇宙飛行士、そして、あとに続かれる大西宇宙飛行士、金井宇宙飛行士が存分にご活躍できますように、引き続き応援を賜りますこと、そして、本日お集まりくださいました皆さま、ご家族さまのますますのご健勝とご活躍を心よりお祈りを申し上げまして、ごあいさつをいたします。本日はどうもありがとうございます。



■ お問い合わせ
油井宇宙飛行士ISS長期滞在ミッション報告会事務局
MAIL: mission-report2016@stage.ac